Sophist Almanac

世界について知りたいとき

William Shakespeare - History ① Richard III "Now is the winter of our discontent"

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Kevin Spacey in Sam Mendes' production of Richard III at the Old Vic

 

Richard III is a historical play by William Shakespeare, believed to have been written in approximately 1592. It depicts the Machiavellian rise to power and subsequent short reign of King Richard III of England. (Wikipedia)

 

誰にも愛されぬ醜い心・・・自らのコンプレックスで心が歪んだリチャード三世、それをシェイクスピアは、背中の曲がった王として描いた。

 

愛されぬ人間の苦しみの闇から唾棄すべき悪行に手を染める王の姿、そして最期には悲惨な死が待っていた。

 

リチャード三世の発見

 

まじ世紀の発見でした。

まずはこのニュースから。

 

9月12日、英レスター大学の考古学チームは、同国中部のレスター市中心部にある駐車場から、15世紀のイングランド国王リチャード3世の可能性がある遺骨を発掘したと発表。写真は発掘現場(2012年 ロイター/Darren Staples)

 

イングランドの駐車場で人骨を発掘、リチャード3世の可能性

2012年09月13日 10:40 

【9月13日 AFP】英レスター大学(University of Leicester)の考古学チームは12日、イングランド中部レスター(Leicester)市内の駐車場から、中世のイングランド王、リチャード3世(Richard III)の可能性がある人骨を発見したと発表した。歴史資料に書かれているリチャード3世の特徴と一致するという。人骨は保存状態が良く、現在DNA分析が進められている。

 1483年に即位したリチャード3世は、1485年のボズワースの戦い(Battle of Bosworth)で死亡した。遺体はレスターにあるグレーフライアーズ(Grey Friars)教会のフランシスコ会修道院に埋葬された。1530年代に教会が取り壊された後、その場所は分からなくなっていたが、最近になってレスター大のチームが駐車場の下に埋まっている教会跡を発見した。

 3週間にわたって行われた発掘作業ではまず、レーダー機器を使って地中の様子を確認し、発掘エリアが絞られた。発掘の結果、教会の聖歌隊席だった場所から人骨が見つかった。

 人骨の背には矢尻が刺さっており、頭骨に残された複数の殴打痕もボズワースの戦いで受けたとされる傷と一致した。リチャード3世は、ウィリアム・シェークスピアWilliam Shakespeare)の悲劇の中で描かれた「背中が湾曲した悪人」としてのイメージで最もよく知られているが、発見された人骨も背骨が曲がっていたという。

 チームを率いたリチャード・バックリー(Richard Buckley)氏は、この人骨がリチャード3世のものである可能性について、「とても有力な候補だが、DNAの分析が終わるまで数週間待つ必要がある」と語った。

 人骨のDNAは、リチャード3世の一番上の姉アン(ヨーク家のアン、Anne of York)の直系子孫であるロンドン(London)在住のマイケル・イブセン(Michael Ibsen)さん(55)のDNAと比較される。結果が出るまでには最長で12週間かかるという。(c)AFP

 

Now is the winter of our discontent

「いまやこの諍いの冬が・・・」

 

さあそれでは、悪の美学、

リチャード三世のセリフを聞いてみよう

どんな人か知らない人だけど、かっこいいぞ !!!

 

youtu.be

 

Spoken by Richard, Richard III, Act 1 Scene 1
Now is the winter of our discontent
Made glorious summer by this sun of York;
And all the clouds that lour’d upon our house
In the deep bosom of the ocean buried.
Now are our brows bound with victorious wreaths;
Our bruised arms hung up for monuments;
Our stern alarums chang’d to merry meetings,
Our dreadful marches to delightful measures.
Grim-visag’d war hath smooth’d his wrinkled front;
And now,–instead of mounting barbed steeds
To fright the souls of fearful adversaries,–
He capers nimbly in a lady’s chamber
To the lascivious pleasing of a lute.
But I,–that am not shap’d for sportive tricks,
Nor made to court an amorous looking-glass;
I, that am rudely stamp’d, and want love’s majesty
To strut before a wanton ambling nymph;
I, that am curtail’d of this fair proportion,
Cheated of feature by dissembling nature,
Deform’d, unfinish’d, sent before my time
Into this breathing world scarce half made up,
And that so lamely and unfashionable
That dogs bark at me as I halt by them;–
Why, I, in this weak piping time of peace,
Have no delight to pass away the time,
Unless to spy my shadow in the sun,
And descant on mine own deformity:
And therefore,–since I cannot prove a lover,
To entertain these fair well-spoken days,–
I am determined to prove a villain,
And hate the idle pleasures of these days.
Plots have I laid, inductions dangerous,
By drunken prophecies, libels, and dreams,
To set my brother Clarence and the king
In deadly hate the one against the other:
And if King Edward be as true and just
As I am subtle, false, and treacherous,
This day should Clarence closely be mew’d up,–
About a prophecy which says that G
Of Edward’s heirs the murderer shall be.
Dive, thoughts, down to my soul.

 

いまや、われらのこの不平不満の冬の時代が

このヨーク家の太陽によって栄光の夏に変えられ、

そしてわれらの屋敷にたれこめていたすべての暗雲は

大海の深いふところにうずめられる。

われらの額は勝利の花冠でいろどられ

傷ついた両腕は記念の像としてかかげられ

いかめしい戦乱のざわめきは陽気な宴へと

われらの死の行進は喜びの舞踏とかえられる。

暗澹たる面構えの戦が、やつのしわだらけの顔を平らにし

そして、よろいをつけた軍馬にまたがり

おぞましい敵の魂をふるえあがらせるどころか、

やつは今や、好色な喜びの竪琴の音にあわせて

淑女の寝間をうきうきととびまわる。

が、われは不真面目な悪戯遊びにはもうとう向いておらぬし

好色な姿見にのぼせて求愛するようにもできておらぬ。

乱暴に踏まれて、愛の威厳にも欠け

奔放にあゆむ乙女の前を気取って歩くこともできないこの我、

こうした美しい均整を奪われ削られ

偽善ぶった自然の采配にきりりとした目鼻立ちを奪われ

奇形にされ、まだ出来損ないのうちに時代に送り込まれ

ほとんど生焼けで、この現世に生きることになった

そのゆえに、これほどまでに足をひきずり歩き、不細工なので

通りがかりの犬でさえもが我に吼えかかる

このよわよわしくたなびく平和の時代のなかにあっても

我はなんらの時をまぎらわす喜びをももちあわせてはいぬ。

ただ太陽のなかの自分の影をひそかにながめては

自分自身の異形のありさまをこと詳しくあげつらう。

それゆえ我は、これらの平和な精錬された時代を

楽しませるような、恋人たることはできぬゆえ、

我が悪党であることを証明する決意をし、

この時代の生ぬるい快楽を嫌悪する。

 

 

 

A horse, a horse, my kingdom for a horse

「馬をくれ、馬を、私の王国と引き換えに馬をくれ !」

 

A for B

A と引き換えに B という、いわゆる交換の for です。

 

なんという最期。

これもその後の研究で明らかになってきています。

 

リチャード3世の「凄惨な死」、遺骨から明らかに

【9月17日 AFP】

 15世紀のイングランド王リチャード3世(Richard III)は、ぬかるんだ地面にうつぶせにされ、かぶとを着用していない頭部への攻撃で、鋭利な武器が脳を貫通したために死亡した──。

 17日の英医学専門誌ランセットLancet)に掲載された遺骨の検視に関する論文を通じて、これまで論争の的になってきたリチャード3世の凄惨(せいさん)な最期が明らかになった。

 劇作家ウィリアム・シェークスピアWilliam Shakespeare)の戯曲には、リチャード3世が敵に襲われて落馬した後に殺害される描写がある。

 リチャード3世は1485年8月22日、イングランドEngland)中部レスターシャー(Leicestershire)州での「ボズワースの戦い(Battle of Bosworth Field)」で死亡した。32歳だった。

 遺骨は、レスター(Leicester)の駐車場の下から2012年に発見され、以降レスター大学(University of Leicester)の考古学チームが分析を続けていた。

 軟部組織が残っていないリチャード3世の場合、分析の対象となったのは遺骨のみで、チームは切り傷や擦り傷、刺し傷など遺骨に残された痕跡を当時の武器が人体に与える損傷と比較して、死亡した当時の状況を推測した。

ランセットに掲載されたレスター大の論文によると、リチャード3世の頭部には致命傷となったもの以外に、絶命直前のものとみられる損傷が9か所みられる。致命傷となったと考えられる2か所については、その痕跡から鋭利な武器が頭蓋骨を貫通して脳にまで達していたことがうかがえる。その他、胴体部分にも傷が2か所あったが、これは死後によろいを引きはがされた後にできたとされる。

 レスター大考古学チームの病理学者ガイ・ルティ(Guy Rutty)氏によると、リチャード3世が頭部に受けた損傷が示唆するものは、当時の戦いで「敗者はうつぶせにさせられた」との考察と一致するという。また同大のサラ・ヘインズワース(Sarah Hainsworth)氏は、遺骨の傷の状況から、複数の敵に襲撃されたと推測している。

シェークスピアの戯曲では背骨が湾曲し、権力に飢えた残忍な人物として描かれるリチャード3世だが、現代の研究ではリチャード3世を倒して台頭したテューダー(Tudors)朝によって本来の姿が歪曲(わいきょく)されていることが分かっている。(c)AFP/Richard INGHAM

 

リチャード三世の遺骨が駐車場地下から発掘された !

 

www.dailymail.co.uk

 

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Clues: Richard III's skeleton showed signs of horrific injuries and the curved spine also matched accounts of the humpback king

 

歪められた実像とその実像とは

リチャード3世の物語(The Story of Richard III)

 

佐々木蔵之介のリチャード三世

佐々木蔵之介主演舞台『リチャード三世』ビジュアル解禁!! | ディップス・プラネット :ライブイベント・スポーツ・展示会等のPRエージェンシー

 

英国俳優カンバーバッチさん、リチャード三世とかなり近い血縁

カンバーバッチさん、リチャード3世の血縁と判明

 

リチャード3世、遺骨は語る 実は金髪・青い瞳/即位後、高たんぱくの食事に

リチャード3世、遺骨は語る 実は金髪・青い瞳/即位後、高たんぱくの食事に:朝日新聞デジタル