William Shakespeare: Sonnet 116 "the marriage of true minds" - 愛しあう真心は必ず結ばれる運命にある!?
大学では専門分野ではなく幅広い学問を一般教養として学びます。
学生の時は、あー、「ぱんきょー」かー、と軽視しがちな一般教養の科目。でも、大学を卒業して年を重ねるほどにわかるのは、専門より (専門はある程度トレーニングすれば自分でどんどん学べるからね) 、そうした幅広い教養を各業界? の専門の研究者から学んだ経験の大切さだったりします。
大学に入ったら、様々な学問を意識して学ぶようにしよう !
William Shakespeare, Sonnet 116
なんて美しい愛の歌。愛とは何か、宝石のように凝縮された美しい言葉がいっぱいです。最初の暗唱すべきシェイクスピアの詩として最もお薦め。
Let me not / to the marriage of true minds
/ Admit impediments. // Love is not love
/ Which alters / when it alteration finds,
/ Or bends / with the remover to remove: /
O no; / it is an ever-fixed mark,
/ That looks on tempests, / and is never shaken;
/ It is the star / to every wandering bark,
/ Whose worth's unknown, / although his height be taken. //
Love's not Time's fool, / though rosy lips and cheeks
( Within his bending sickle's compass ) come; //
Love alters not / with his brief hours and weeks, /
But bears it out / even to the edge of doom. //
If this be error / and upon me / proved, /
I never writ, / nor no man ever loved. //
真実の心がむすばれるのを
とめさせないでくれ。そんな愛は愛ではないのだ、
愛が心を移せば、心変わりするような愛、
邪魔だてする者があらわれると、心折れてしまうような愛は。
おお、そうではなくて、愛こそは、ひとつの永遠に動かぬ星、
嵐を見つめながらも決して揺るぎもせず、
すべてのさまよう小船を導く星。
その高さは理解できても、その本当の価値は知られることはない。
愛は「時」の戯れ、道化ではない。たとえ薔薇色の唇や頬は
「時」の残虐な鎌でざっくり刈り取られようとも。
愛は「時」のはかない時間や日々では変わらない、
それどころか、愛は最後の運命の瞬間までつづくのだ。
もしこれが私の誤りであったとすれば、私は何も書けなかっただろうし、
どんな人も愛したりなどはしなかっただろう。
解説
1st stanza
The Marriage of True Minds
でた、シェイクスピアの
すごすぎワード!
お互いを愛し合い求めあう真心の二つの魂は、かならず結ばれるんだということを、一言の名詞句で表した言葉。
ほんとなのこれ !? お互いを愛する二人の心があれば必ず結ばれるの !?
みんなはどう思う !?
Let me not / to the marriage of true minds/ Admit impediments. //
= Let me not admit impediment to the marriage of true mind
真実の心がむすばれるのに邪魔を許させないで。
Love is not love
そんな愛はあいなんかじゃない、
/ Which alters / when it alteration finds,
= which alters, when love finds alterlation
変わりのものが見つかったからといってすぐ心変わりしてしまうような愛は。
/ Or bends / with the remover to remove: /
あるいは、愛を除去しようとする邪魔人が表れてすぐこころがポッキリと折れてしまうような、そんな愛は。
2nd Stanza
Love is an ever-fixed mark
でた。また名言。愛は常に動かぬ私たちの道しるべ。
海や山で迷子になったり、嵐に出会ったりして、右も左も上も下も分からなくなったとしても、頭上に輝くあの星さえ見えれば、進むべき方角がわかる。
信じられる愛がひとつでもあれば、それを信じて、その方向に歩み続けることができる。
ここ一番好きな箇所。
O no; / it is an ever-fixed mark,
そうじゃない。愛は永遠に不動の私たちの道しるべ。
/ That looks on tempests, / and is never shaken;
嵐を見下ろし、決して揺らぐことがない。
/ It is the star / to every wandering bark,
愛とは、あの星のようなものだ。すべてのさまよえる小舟にとっての。
/ Whose worth's unknown, / although his height be taken. //
その星の価値は私たちに理解することはできないが、その崇高さははかり知ることはできる。
例えばアメリカの奴隷制時代、逃亡奴隷 (fugitive slaves) は、夜間だけ、あの North Star をみて北に向かいました。自由を求めて、北極星 (North Star) の指し示す方角にむかったのです。
3rd stanza
To the Edge of Doom
愛は運命の最後の日まで続く、まぢかよ、ほんとかよ !
Time: 時の擬人化 Chronos
時の擬人化クロノス (Chronos) は、命を刈り取る鎌 (sythe) をもっており、死神 (Death) と同じような存在として描かれる。
コレラと死神の大鎌
何度も町の人口の半分が疫病によって奪われるようなことがありました。
Love's not Time's fool, / though rosy lips and cheeks
愛は「時間」に翻弄される道化 (ピエロ) なんかじゃない、たとえ、彼女のバラ色のくちびるや頬が
( Within his bending sickle's compass ) come; //
「時間」のあの曲がった大鎌がふりおろされる範囲内に入ろうと
Love alters not / with his brief hours and weeks, /
愛は変わったりはしない、短い数時間や数週間のあいだに。
But bears it out / even to the edge of doom. //
そうではなくて愛はずっと続く、運命の最期の瞬間の時まで。
Stanza 4
If this be error ... I never writ
愛は不滅、そうでなければ、シェイクスピアも生まれていないし、だれも人を愛したりはしない。と言い切ったね !
If this be error / and upon me / proved, /
もしこのことが嘘であり、そのことが私に証明されたならば、
I never writ, / nor no man ever loved. //
私は決して詩人になったりもせず、誰も人を愛したりはしなかっただろう。
▶ 映画でみるシェイクスピア
Sense and Sensibility (1995) 『いつか晴れた日に』
Jane Austin の名作『多感と分別』 Sense and Sensibility の映画化。
情熱的な妹のマリアンヌ (は、勇気がなくてなかなか愛の言葉を語れないブランドン大佐 (Alan Rickman) よりも、シェイクスピアのソネット116がさらっとでてくる、ロマンティックな (or きざな) ウィロビーを愛するようになる。
真の愛は決して心変わりしたりはしない、なんてソネットをそらんじていたウィロビーは、でも結局、マリアンヌを捨てて、お金持ちのお嬢さんと結婚してしまう。あれは嘘だったの !? 原作にはなかったシーンだと思うけど、ぐっときますね。
みてみよう。
ウイロビーより、ブランドン演じた俳優アラン・リックマンの方が一億倍かっこいいに決まってる。私がマリアンヌなら迷わずブランドン直行するけどね !
今日は故アラン・リックマンさんの誕生日ってことでスネイプ先生の画像を漁ってたんだけど、笑顔のスネイプ先生ってもうギャップ萌えの塊だよね💘
— 𝙎𝙖𝙠𝙪𝙧𝙖 (@eo1n2) 2020年2月21日
#SeverusSnape #AlanRickman pic.twitter.com/oKVqCphbI8
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