Sophist Almanac

世界について知りたいとき

2016年、あの夏のこと - DEEPCOUNT - Note of Okinawa

f:id:classlovesophia:20171006034907p:plain

 

あの夏に捧げる歌

あの夏を忘れないための歌

 

DEEPCOUNT - Note of Okinawa 

youtu.be

 

 

東京 沖縄 SUMMER TIME 平成二十八年の夏
コンクリートの虚構のジャングルから 青い星の 青い心の
青い 青い 空につながり ヤンバルのジャングルへ飛びあがる
真夏の沖縄 十年ぶり ながら二泊三日の短い駆け足の旅
走り抜けるスコール ひかりの降り注ぐ夕方の那覇に着陸
那覇の食堂で天皇陛下生前退位の意向の映像を見た
辺りの空気は微妙な振動だった

 

南の島の北へと向う小さなレンタカー 夜の帳 久しぶりの一人旅
蝶の飛ばない夏の唄が生まれた高飛びの街の滑走路から
蝶が飛び蛍の光る そして オスプレイの飛び交う着陸帯が置かれる
標的の村 高江へ着いた

 

東京 沖縄 SUMMER TIME 平成二十八年の夏
朝 車の中でおきる 県道70号 米軍北部訓練場の直ぐ隣
東京からはよく見えない 青い空の向う 遠く南に戦争の基地のひしめく琉球の島がある
この世界のお話しさ 自然の豊かな まるで 命の基地みたいな村に嘘みたいな数の機動隊が立ち並び アメリカ軍の戦争の基地のために働いている 嘘みてえな本当の話し

 

東京 沖縄 SUMMER TIME 平成二十八年の夏
おばあさんは、ジャングルの村の国道で機動隊員一人一人に話しかける
立ちはだかる無表情の向うに隠れる人間の欠片に向って話しかける
まるで あの遠い夏休みに婆ちゃんの戦争の体験話しを聞いている 誰かのように見えてくる するとその1人の若い機動隊員はやがて うなずいて笑顔を見せた
54回目の夏 目撃したのは心のトンネルの開通の瞬間だった

 

おばあさんは今日も出かける ジャングルの川の橋の上で洗濯 人間の心の汚れを落す
もう一回洗い直す まるであの昔話は まるで世界の最先端だ
この国のトップダウンの最先端が目の前で展開されてる
標的の村 高江 東京からはよく見えないようになってる

 

東京 沖縄 SUMMER TIME 平成二十八年の夏
泥のように疲れた身体を誘われるまま海へ運ぶ
誰もいない真っ青な海と空が溶けて染込む
その端っこに身体を浮かべる キワドイときに掴む静寂
青い星にオレが染込む 青い星がオレに染込む
青い星にオレが染込む 青い星がオレに染込む
東京 沖縄 SUMMER TIME 平成二十八年の夏 キワドイときに掴む静寂

 

東京 沖縄 SUMMER TIME 平成二十八年の夏
公衆便所のカナブンの恩返し どうもありがとう

 

f:id:classlovesophia:20171006033426p:plain

 

f:id:classlovesophia:20171006033501p:plain

 

f:id:classlovesophia:20171006033529p:plain

 

  

f:id:classlovesophia:20171006034122p:plain

 

 

2016年7月10日、参議院選挙。

 

保守与党 (赤) と、右派 (紫) と、が三分の二をしめる選挙結果。リベラル系がたったの三分の一しかない国、すごいな日本、って友達と話しながらテレビ中継見ていて、

 

f:id:classlovesophia:20190204082726p:plain

 

いっぽう、沖縄は安倍内閣で現職の大臣をしていた基地推進派の島尻議員を蹴落とし、ゼロ打ちで、伊波議員を擁立した。

 

あー、どこも自民党ばかりが勝つけど沖縄はすごいねやっぱり、って友達もいっていた。

 

ゼロ打ち。

圧倒的な票差だった。

 

それからちょうど9時間後だよ。

 

午前6時、大勢の機動隊員がどっと沖縄県北部の髙江にやってきた。オスプレイパット建設のために、反対する県民を排除して工事を始めたんだ。

 

米軍のヘリパット建設。長年の地道な住民の反対は、あっという間に機動隊に制圧されてしまった。

 

基地建設反対派が選挙で圧勝しても、民意になんの重みもないというわけなんだ。

 

f:id:classlovesophia:20171006034059p:plain

 

それから一日1000人以上もの機動隊が静かな森にあふれかえり、毎日のように県民を排除しては、工事が強行され、機動隊1000人以上が投入される戦後でも類を見ない現実を、開始から二週間ぐらいは、ほとんどテレビは報道していなかった。今考えても、異常だった。

 

で、その年末には髙江の工事完了、って勝手に宣言して、今度は年明けから辺野古の工事も始めたんだ。

 

基地建設中止を求める玉城デニーさんが圧勝して知事になっても、今も続いてる。

 

毎日毎日続く現実。

さすがにこれはひどすぎるだろって私でも思うけど、

 

もっとひどいと思うのは、あれだよね、本土の人たちがあまりに沖縄の基地問題に無関心な上に、ネットでデマやヘイトが意図的に拡散され、住民のほうがテロリストだとか、地元住民は容認してる、なんて巧妙な言説がたくさん流布されてる。

 

力と言葉の両輪の圧力でくるから、やり方がすごいな、とおもわざるをえない。

 

日本は「他者」の人権にほとんど関心がない。今、自分が苦しんでなければ、物事を深く考えたりもしない。

 

軍事なんて、そもそもわからないから、米軍のヘリパット増強や辺野古新基地が必要だと言われれば、そうなのか、ぐらいの反応しかない。

 

原発だって、電気が必要だから原発が必要だ、っていう人もいるくらいだからね。

 

でも、もちろん、

それは誰かの理屈を鵜呑みにしてるだけでしかない。

 

電力は必要だけど、それは原発のことなのか、それしかないのか、そもそも原発ってなんなのか、誰か原発で苦しんでいる人はいないのか、そこまで疑ってみるという意識が日本にはどうも少ないようにみえる。

 

もう少し、

もうちょっとでも、

 

自分以外の「他者」の苦しみに身を寄せて考えてみる、ってことしないと、いつまでたっても、日本の民主主義は、「ごっこ」にしかすぎないと思うんだ。

 

2016年の夏、

あれから3年たったけど、

あの時からずっと今も続いている。

疑うことなく誰かを排除する権力なんて暴力でしかないよ。