Sophist Almanac

世界について知りたいとき

Setsuko Thurlow's Speech - 人々を動かすスピーチとは - サーロー節子さんの言葉のちから

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Today's Topic

国連をうごかしたサーロー節子さんスピーチを聞いてみよう !

 

Setsuko Thurlow 

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今年は驚きでした。ノーベル賞。なんと広島出身のサーロー節子さんが平和賞を、文学では長崎県出身のカズオ・イシグロさんが受賞しました。

 

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そして、平和賞では、ICAN (International Campaign to Abolish Nuclear Weapons, 核兵器廃絶国際キャンペーン) で広島県出身の日系カナダ人、サーロー節子さんらが受賞台に立ちました。 

 

今まで、ほとんど日本の Nobel laureates (ノーベル賞受賞者) は natural science (自然科学) の分野での受賞が多く、平和賞では1974年に非核三原則の制定で首相の佐藤栄作が受賞したのみ。しかも、後年明らかになるのは、その日本の「非核三原則」とは、実際には米国との核の密約だらけで、沖縄をアメリカの核の拠点へと差しだすものですらあったのです。

 

今日はサーロー節子さんのノーベル平和賞のスピーチを聴いてみたいと思います。彼女のスピーチは揺るぎない力強さと優しさがあり、人々の心を動かします。まさに彼女の言葉のちからが、人々の心を動かし、国連を動かし、核兵器禁止条約の採択をみちびいたのです。

  

でも、この ICAN が長年取り組んできた国連での核兵器禁止条約ですが、広島長崎の二度の原爆の苦しみを味わったこの国の安倍政権は、この核兵器禁止条約に「反対」してきました。国連の現場では核兵器禁止条約は圧倒的多数の賛成で採択されたものの、被爆国である日本が、なんと数少ない「核兵器禁止条約に反対」の国。ふるさとの日本をサーロー節子さんはどんな思いで見ていたでしょうか。

 

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核兵器禁止条約 決議案が国連の委員会で採択 日本は反対

NHK Web News2016年10月28日 10時18分 

 

核兵器を法的に禁止する初めての条約の制定を目指す決議案が国連総会の委員会で採決にかけられ、123か国の賛成多数で採択されましたが、アメリカなどの核兵器保有国に加え、アメリカの核の傘に守られ、段階的な核軍縮を主張している日本も反対に回りました。 この決議はオーストリアなど核兵器保有しない50か国以上が共同で提案したもので、核兵器を法的に禁止する初めての条約の制定を目指して、来年3月からニューヨークで交渉を始めるとしています。

 

決議案は、27日夕方(日本時間28日朝)、ニューヨークで開かれている国連総会の第1委員会で採決にかけられ、賛成123、反対38、棄権16の、賛成多数で採択されました。採決では、核兵器保有国のうちアメリカやロシアなどが反対したのに対し、中国やインドは棄権して対応が分かれました。また、唯一の戦争被爆国として核兵器の廃絶を訴えながら、アメリカの核の傘に守られている日本は、核軍縮は核保有国と非保有国が協力して段階的に進めるべきだとして、反対に回りました。決議の採択を受けて、オーストリアのクグリッツ軍縮大使は「核兵器の法的禁止に努力してきた国々や市民社会の勝利だ。長年にわたって核兵器の非人道性を訴える活動を続けてきた成果だ」と意義を強調しました。

 

今回の決議がことし12月に国連総会の本会議でも採択されれば、来年3月から核兵器禁止条約の制定に向けた交渉が始まることになり、世界の核軍縮の流れにどのような影響を及ぼすのか、注目されます。 日本 立場反映されなかったことが反対の理由  日本の佐野軍縮大使は、核兵器を禁止する条約の制定を目指す決議に反対したことについて、「核軍縮を実効的に進めるには、核保有国と非保有国の協力がなければならない。国際社会の総意で進められるべきだと強く求めたが、受け入れられなかった」と述べ、決議案に日本の立場が反映されなかったことを反対の理由に挙げました。

 

一方、日本が23年で連続して提出してきた、核廃絶を呼びかける決議について、ことしは、去年を上回る167か国が賛成し、去年反対したアメリカが共同提案国にもなったとして、「核軍縮を現実的に実践的に進めるという日本の考え方が幅広く支持された結果だ」と述べ、その意義を強調しました。 「被爆者の訴えで非人道的という認識広がった」 核兵器を法的に禁止する初めての条約の制定を目指す決議が採択されたことについて、主導的な役割を果たしたオーストリアのクグリッツ軍縮大使は「核兵器の被害の実態を知る被爆者が訴えてきたことで、核兵器が非人道的だという認識が国際社会の中で広がった」として、この間、広島や長崎の被爆者が果たした役割が大きかったという認識を示しました。 そのうえで、来年3月から始まる核兵器禁止条約の制定に向けた交渉について「交渉は今回の決議に賛成しなかった国にも開かれている。核保有国や核の傘の下にある国にも核兵器禁止条約に関わるよう促していきたい」と述べ、日本も含め決議に反対した国々にも交渉への参加を呼びかけました。 

 

国際NGO 日本の反対に憤り国際NGO、ICAN(アイキャン)の核兵器廃絶国際キャンペーンの川崎哲国際運営委員は、今回の決議案に日本政府が反対したことについて、「驚くとともに憤りを感じている。日本は核のない世界を目指すという目標を掲げておきながら、核兵器禁止条約の交渉を拒否した。日本政府はこれまで核兵器を持つ国と持たない国の橋渡しをすると言ってきたが、今回反対したことで、完全に軸足を核保有国側に移したと言える。国内でも理解されるとは思えないし、強く抗議をしていきたい」と述べました。

 

また、今後の核兵器禁止条約制定を目指す交渉について、「早く交渉が進み、核兵器の禁止が国際法になるよう働きかけていきたい」としたうえで、「日本政府にも考え方を改めて、交渉に参加してもらいたい」と述べました。 また、ICANの核兵器廃絶国際キャンペーンのベアトリス・フィン事務局長は、核兵器禁止条約の制定を目指す決議案が採択されたことについて、「歴史的なことで非常にうれしく感じている。核兵器をなくすための交渉がほとんど進まなかった20年がようやく終わることになり、国連にとっても極めて重要な瞬間だったと思う。多くの国が、反対を求める核保有国からの圧力を受けながら、賛成してくれた」と述べ、意義を強調しました。

 

そして、「核兵器による被害を最もよく知る被爆者の声が、決議の採択に至る過程でも非常に重要だったし、今後の交渉の過程でも重要になってくる」と述べ、広島や長崎の被爆者が条約の制定に向け重要な役割を果たすという認識を示しました。

 

その一方で、日本政府がアメリカなどに同調して決議に反対したことについては「非常に落胆させられた」と述べ、強い失望感を示しました。 

 

世界の核軍縮停滞への不満と危機感が背景に 核兵器禁止条約をめぐる議論の背景には、世界の核軍縮が既存の国際法の枠組みの下で停滞していることへの各国の強い不満と危機感があり、核兵器の非人道性に焦点を当てて核兵器そのものの違法性を明確にすべきという、国際世論の高まりがありました。これまで世界の核軍縮の枠組みとしては、核兵器保有国と非保有国にそれぞれ異なった義務を課し、核兵器の廃絶を目指すNPT=核拡散防止条約がありましたが、段階的な核軍縮を主張する核保有国と速やかな廃絶を訴える非保有国の対立から交渉は停滞し、去年開かれた5年に1度の再検討会議でも議論が紛糾しました。また、核実験を禁止するCTBT=包括的核実験禁止条約も、国連総会で採択されてから20年が経過したにもかかわらず、アメリカや中国が批准していないことから、いまだに発効していません。

 

今回の決議がことし12月に国連総会の本会議でも採択されれば、来年3月から核兵器禁止条約の制定に向けた交渉が始まります。しかし、アメリカなどは核抑止力に依存する世界の安全保障の現実を考慮せずに核軍縮は進められないとして決議に強く反対しており、条約の制定までには多くの曲折が予想されます。

 

日本は、アメリカの核の傘に守られている立場から核兵器の即時禁止に慎重な立場をとっていますが、広島や長崎の被爆者などは禁止条約の制定に強い期待を寄せています。  官房副長官「わが国の基本的考えと合致しない」 萩生田官房副長官閣議のあとの記者会見で、「慎重な検討を重ねた結果、反対票を投じた。北朝鮮などの核、ミサイル開発への深刻化などに直面している中で、決議は、いたずらに核兵器国と非核兵器国の間の対立を一層助長するだけであり、具体的、実践的措置を積み重ね、核兵器のない世界を目指すというわが国の基本的考えと合致しないと判断した」と述べました。

 

一方、萩生田官房副長官は、日本が提出した核廃絶を呼びかける決議に、ことしは、去年を上回る167か国が賛成し、去年反対したアメリカが共同提案国になったことについて「わが国決議こそが、核兵器国と非核兵器国双方が、ともに目指すべき核兵器のない世界の道筋を示していることを表している」と述べました。 

 

サーロー節子さん「核廃絶に向けた第一歩」 核兵器を法的に禁止する初めての条約の制定を目指す決議が採択されたことについて、国連などの国際会議で核兵器廃絶を訴えてきた広島市出身の被爆者、サーロー節子さんは、「NGOなどと協力しながら、何年もかかってようやくここまできた。核廃絶に向けた第一歩になった」と評価しました。


そのうえで、「核兵器禁止条約という目標が定まったので、今後の交渉に向けても核兵器がどれほど危険か被爆者として訴え、条約が早く制定されるよう促していきたい」と述べ、各国への働きかけを続けていく姿勢を示しました。

 

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youtu.be

 

サーロー節子さんの物語

www.hiroshimapeacemedia.jp

 

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NHK の画像解析からわかること

NHK の下のリンクからアクセスしてみましょう。

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1945年(昭和20年)8月6日、アメリカ軍が投下した原子爆弾が広島の街を壊滅させました。原爆が投下された直後の惨状を記録した写真が、世界でたった2枚残されています。NHKは写真に写る被爆者の証言や最新の映像技術をもとにその時の様子を再現しました。

特集 広島原爆 ~きのこ雲の下で何が起きていたのか~|NHK 戦争証言アーカイブス

 

NHK 戦争証言アーカイブス ← このアーカイブスは「いのち」の証言でもあります。NHK のこのような素晴らしいアーカイブの仕事は日本のアセットとして守り続け、今後も応援していきたいと思います。

 

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