まんがのせかい ( 1 ) 五十嵐大介『カボチャの冒険』『魔女』『リトル・フォレスト』
あんまり漫画のこと詳しくはないのだけど、好きな作品を何回かに分けてあげていこうかなー、とおもってる。
このひとの精緻な自然描写、その画力は恐ろしいほどに圧倒的。サイレントな、つまり言葉のない漫画も多いけど、いったん語り始めると、どんびきするくらい深い言葉が紡がれていく。まるでキリム (絨毯織物) の文様のようだよ。
このアニミズム的な混沌がかなり好き。
だけど、前からすごく気になってて不思議なのは、彼の作画のなかに描かれる人間、とくに少女には、ある種、なんか自分のなかには存在しない、ちょっと異質というか、奔放な狂気というか、境界線が歪むような奇想の世界が潜んでいて、それが自分のなかにある種の拒否感を引き起こさせる。それが何なのか、よくわからないけど。
ともかく不思議なアーティストだとおもう。
その画力たるや、もうヤバイ。
五十嵐大介さんの画集『海獣とタマシイ』すてきな絵はいっぱいあるんだけどコレが一番圧倒された。#五十嵐大介 #海獣とタマシイ pic.twitter.com/BVpRED5szB
— スナックカブトムシ (@snackkabutomush) June 14, 2015
こーゆう、北欧ゲルマンかケルトのような文様も、ずっと見ていたいくらい。
① 『カボチャの冒険』
は一番おすすめ !
② リトル・フォレスト
は映画化されたらしい。
③ でも一番好きなのは『魔女 1 & 2』
すごい世界観。
これは感動しすぎて泣いたわ。
歴史を学ぶ上でも、
この言葉、忘れないようにしている。
魔女だといって、少女を排除し、石を投げる町の人たち。その人たちのことを、おじいさんは、こういう。彼らは「「自分が何でできているか、知らない」んだよ、って。
「根がなかったら、自分の力でしっかりと立っていることはできないだろう。それで根のない噂にもふりまわされる。」
これって、今の時代も同じだよね。つまり、フェイクやヘイトにふりまわされ、自分とは異なる他者を排除し憎悪する人間は、「自分が何でできているか、知らない」んだと。
学生に「論理的であれ」と私はよく言うけど、
でも、「言葉を知りながら、それを棄てることがことができる者」でもありたいと思う。言葉を知らないのではなく、言葉を知りながら、というところが大切。
そう、
自分の体で、
この世界を確かめていこう。