Sophist Almanac

世界について知りたいとき

まんがのせかい ( 1 ) 五十嵐大介『カボチャの冒険』『魔女』『リトル・フォレスト』

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あんまり漫画のこと詳しくはないのだけど、好きな作品を何回かに分けてあげていこうかなー、とおもってる。

 

五十嵐大介

 

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このひとの精緻な自然描写、その画力は恐ろしいほどに圧倒的。サイレントな、つまり言葉のない漫画も多いけど、いったん語り始めると、どんびきするくらい深い言葉が紡がれていく。まるでキリム (絨毯織物) の文様のようだよ。

 

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このアニミズム的な混沌がかなり好き。

 

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だけど、前からすごく気になってて不思議なのは、彼の作画のなかに描かれる人間、とくに少女には、ある種、なんか自分のなかには存在しない、ちょっと異質というか、奔放な狂気というか、境界線が歪むような奇想の世界が潜んでいて、それが自分のなかにある種の拒否感を引き起こさせる。それが何なのか、よくわからないけど。

 

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ともかく不思議なアーティストだとおもう。

その画力たるや、もうヤバイ。

 

  

こーゆう、北欧ゲルマンかケルトのような文様も、ずっと見ていたいくらい。

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① 『カボチャの冒険』

は一番おすすめ !

 

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② リトル・フォレスト

は映画化されたらしい。

 

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③ でも一番好きなのは『魔女 1 & 2』

 

すごい世界観。

これは感動しすぎて泣いたわ。

 

歴史を学ぶ上でも、

この言葉、忘れないようにしている。

 

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魔女だといって、少女を排除し、石を投げる町の人たち。その人たちのことを、おじいさんは、こういう。彼らは「「自分が何でできているか、知らない」んだよ、って。

 

「根がなかったら、自分の力でしっかりと立っていることはできないだろう。それで根のない噂にもふりまわされる。」

 

これって、今の時代も同じだよね。つまり、フェイクやヘイトにふりまわされ、自分とは異なる他者を排除し憎悪する人間は、「自分が何でできているか、知らない」んだと。

 

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学生に「論理的であれ」と私はよく言うけど、

でも、「言葉を知りながら、それを棄てることがことができる者」でもありたいと思う。言葉を知らないのではなく、言葉を知りながら、というところが大切。

 

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そう、

自分の体で、

この世界を確かめていこう。

 

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