英国議会特集 ~ 民主主義とウィット
英国政治の七不思議 ~ ボリス・ジョンソンの髪型
Brexit でゆれる英国議会。
それでも、時間をかけてでも国民と向きあって民主主義を貫こうとしている姿は、ちゃんと日本の政府にあるのかどうか、私たちも英国のこれからを見続けていきたいと思います。
2016年、盛り上がりすごいキャメロン首相の最後の答弁
キャメロンの敗北と退場。でも、日本のお笑いより圧倒的な盛り上がりと笑いに包まれる英国議会。これこそ英国の民主主義の伝統と底力 !!!
Prime Minister David Cameron (2010年5月11日-2016年7月13日)
もうお笑い番組より絶対おもろいよね。もう日本の国会と全然違ってて、これ見ると、日本の居眠り国会ってなんだろう、って思う。見てるこっちも辛い。
女性議員の多さも要チェックです !
2016年7月14日
EU離脱をめぐる国民投票をすると言い出した張本人のキャメロン英首相が昨日、退任した。「戦犯」扱いだったが、英議会での最後の質疑応答は概ね好意的だった。確かに民主主義は貫いた。「国益に資した」かどうかは、イギリスがこれから答えを出す。
デービッド・キャメロン前英首相は13日、下院本会議で首相として最後の質疑応答を終え、満場の拍手に送られて議場を後にした。去りゆく首相は「かつて私は(イギリスの)未来だった」が、もう出番は終わったと語り、次期政権にエールを送った。
「国民投票は後悔しない」──去りゆくキャメロンに満場の拍手 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
ビデオの 6:40 頃、スピーチのしめの言葉、
After all, as I once said, I was the "future" once
「結局のところ、私がかつて言ったように、私はかつては英国の "未来" だったのです」
は、中世の英国文学の傑作、トーマス・マロリー (Sir Thomas Malory) によるアーサー王の物語 (The Death of King Arthur) の有名な箇所
Here lies Arthur. The once and the future king
「ここにアーサー王は眠る。英国のいにしえの、そして未来永劫の王」
を、ごにょっと作り変えた面白いフレーズなので、それ自体、面白いのですが。そう、アーサー王のようにブリテンを救う「未来」だったのに。
じつはこれ、かつてキャメロンさんが2005年、退場するトニー・ブレア首相 (Tony Blair) にむけて言った (as I once said) 言葉、
He was a "future" once.
「ブレア首相はかつては英国の "未来" だったのですがー」
「彼はかつては英国の未来だった」を、また自分のための決め台詞としてとっておいてたんですね。それがこの、
After all, as I once said, I was the future once 。
「結局は、かつて私が (ブレア首相に) 語ったように、私もかつては英国の "未来" だったのですがー」
かつて (once) が二度使われることで、時代の皮肉をあらわし、なんとも、深い英国の知性と上品なウィットを感じます。
そして、またしても、うかつにマイクに拾われるキャメロン首相の退陣姿 (笑) 。
この最後の Right! Good! は、日本語で、「よっしゃ ! 上出来 ! 」的な。
David Cameron: "Thank you very much........................doo, doo, doo, doo. Right...Good." (The End) pic.twitter.com/Z1zHgSlkLf
— Daniel Sandford (@BBCDanielS) 2016年7月11日
それがネットで話題となる。
そんな上品で知的なキャメロン首相から、→ テレサ・メイ首相 → そして英国のトランプと揶揄されるボリス・ジョンソン。まるでイギリス議会の退化 (Devolved Parliament) を見ているようだ、とも言われているし、ボリスは議会を強制閉会したりして、実際、かなりそうなんですが。
でも、ジョンソンさんは、少なくともトランプさんのようにメディアをことごとく攻撃し、SNS で国民を煽るなんてことはありません。
それどころか、メディアの取材陣のみなさんに紅茶をふるまったことすらあるのです。いわゆる「紅茶攻撃」。
この嫌な相手撃墜のための高度なワザ「紅茶をどうぞ」
これは習得難易度、高いですよ !
ボリス・ジョンソン英国流報道陣の帰し方「紅茶をどうぞ」!
発言はぜったいゆるせないけど、これ見てオックスフォードまた行きたくなった ! オックスフォードシャーって、ものすごーく素敵なところ、ぜったいロンドンとセットで行ってほし、なんだよね。そしてコーヒーでなく紅茶よ、ぜったい。
BoJo はたくさん立派な邸宅を所有してるようだし、英国首相の公邸はすごすぎるけど、やっぱオックスフォードシャーのこういうのいいよね、ほんと。
Boris and Marina bought a four-bedroom detached house near Thame, Oxfordshire, for £640,000 in 2003
典型的なオックスフォードの優雅な建物と柄パン。どうにかならんのかって感じのボサ髪と完璧なオックスフォード貴族英語発音 (Oxford English)、この落差がおもろすぎる。
で、英国版トランプなボサ髪に、くたくたの普段着、それに、ティーカップではなく、マグカップであるところに「報道陣とっとと帰れ」感あるけど、雑にミルクと砂糖をつけてくれてるところには一抹の思いやりを感じる。
有無を言わさず I... I want you to take a cup of tea! の押しのすごさ。
世界一優しい『帰れ』
英国流『帰れ』
京都で言うところのぶぶちゃいらはりますか?やなw あそこも貴族社会。似てるのかもな。嫌味の伝え方w
しっかりミルクと砂糖用意してるとこすき
凄いよな。紅茶をどうぞ 紅茶をどうぞ 紅茶をどうぞ 紅茶をどうぞ 一点張り!! 普通の格好でw
洒落っ気、皮肉、イギリス人らしさ、政治家としての対応、全て良い意味でこの映像に含まれてて好き
やっぱ英国人は皮肉上手いな 一日中張り込んでて大変やろ?とか 差し出されるカップがもてなし用のカップじゃないとか、英国人とテーブルの上では笑いあって机の下では蹴りあえるのは京都人しかいないな
柄短パンかわいいよね🤭ww
この人物凄い貴族階級の出(先祖がイギリス王とオスマン帝国貴族)でオックスフォード出てるエリートで喋り方も正に貴族英語のそれなのに生活はとても質素なんよね。
正式には貴族ではないんですけど、イギリスらしいミックスルーツ。イートン→オックスフォード→右派系ジャーナリスト→政治家のコースでしょうか
この人ずっと寝込んでたからこんな髪型なんだと思ってたら会見でも変わんなかったわw
何があっても客用のカップは出さないの草
日本「遺憾」中国「中央政府は必要な措置をとる」アメリカ「China!!」イギリス「紅茶をどうぞ」
イギリス行った時、どこの田舎いってもバアちゃんが日本だと麦茶とかアクエリいれるでっかい水筒に紅茶いれて、「sugar or milk?」っていって飲ませてくれたの思い出したわ。
オックスフォードシャーは大学から自然から見所多すぎて紹介できないけど、歴史と伝統を大切にする暮らしのあり方は、コッツウォルズ (Codswalds) の家の作りや暮らしぶりからも学ぶことができる。
しかしこの発言 ⇩ はありえんよね。しかもこの後、首相になる。
「ブルカ」発言で非難されるジョンソン前英外相 質問答えず記者にお茶を
ボリス・ジョンソン前英外相が、ムスリム(イスラム教徒)女性の一部が身に着ける、全身をすっぽり隠す「ブルカ」について、「郵便ポスト」や「銀行強盗」のようだと新聞コラムに書き、物議を醸している。ムスリム差別を助長する発言だなど激しい非難が与党・保守党に寄せられ、保守党として差別かどうか調査する意向を示す一方で、保守党の有力議員や著名コメディアンからは擁護の発言も出ている。コラム発表時はイタリアで休暇中だった本人は12日、帰国した自宅前で待機し続ける報道陣にコメントはしない代わりに紅茶を振舞った。
ジョンソン前外相はこの日、オックスフォードシャーの自宅前で報道陣に対して、「何時間もずっとお待たせして申し訳ない」、「この件について僕は何も言うことはない。こうして紅茶をお出しする以外は」と言いながら、盆に載せた紅茶を振舞った。
5日付の保守系新聞デイリー・テレグラフでジョンソン氏は、「ブルカ」を法律で禁止するのは支持しないが、女性が自ら選んで「郵便ポストのような格好をする」など「まったく馬鹿げている」と書いた。まるで「銀行強盗」のような姿だとも書いた。
テリーザ・メイ首相の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)政策をめぐり7月上旬に突如、外相を辞任したジョンソン氏は、2016年夏のブレグジット国民投票の後、保守党党首ひいては首相の座を目指していた。メイ首相の退陣を求め後任になる意向ではないかと取りざたされる中、メイ首相やブランドン・ルイス幹事長など複数の党幹部がジョンソン氏に謝罪や発言撤回を呼びかけたが、ジョンソン氏は応じていない。
もう君主に処刑されたりはしないよね
ブレキジット基本講座
2019年3月29日
ブレグジット(イギリスの欧州連合離脱)によって、イギリス議会に注目が集まっている。
世界で最も古い議会のひとつでもあるイギリス議会では、他国の人から見ればおかしな慣習が真面目に執り行われている。
なぜ選ばれた議長は引きずられるのか。なぜ与野党の席の間は剣の長さで測られているのか。動物の皮が必要な理由は?
イギリス議会にまつわる5つのトリビアを紹介する。君主お断り? いまだに巻物? イギリス議会にまつわる5つのトリビア - BBCニュース