Sophist Almanac

世界について知りたいとき

Taylor Swift さんが次の選挙に向けてメッセージ ~ この2年間で彼女が変わったその理由

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Today's Homework

Taylor Swift Jumps into Politics

youtu.be

 

テイラー・スイフトさんと中間選挙

 

アメリカと日本の芸能事情で、

対極的なのが、やはり「政治問題」。

 

アメリカでは人権や民主主義に関して、あるいは選挙が近くなったりすると、いろんなセレブやタレントの人たちが政治的なコメントを寄せ、積極的に社会へのコミットメントを表明します。

 

自然災害や事件などがあると、こうした芸能人の人たちがすぐにアクションをおこして活動するのも、社会へのコミットメントを大切にしているからですね。

 

アメリカ大統領選挙も近づいてきたので、

 

今日の CNN でも話題になったカントリー・ミュージックの歌手 Taylor Swift さんのことを考えてみようと思います。

 

話題の PV

www.youtube.com

 

昨年10月、政治発言宣言をした頃の楽曲の PV。

 

My reputation's never been worse, so
You must like me for me...

わたしの評判は地に落ちてしまったけど、

わたしのためなら、わたしを好きになってくれなきゃ。

 

Is it cool that I said all that?
Is it chill that you're in my head?
'Cause I know that it's delicate (delicate)

こんなこと言うのってクールなのかな?

あなたのこと考えてるってぞくぞくしない?

だって今の状態がデリケートだってわかってるから 

  

いままで政治的な発言を避けてきた Swift さん。

 

みんながその政治的信条をパブリックに発言していくのが常識のアメリカで、彼女は珍しく、これまでほとんど「政治的発言」をしてきませんでした。

 

それで「トランプ大統領の隠れ支持者」だと思われてきたし、あるいは勝手に白人至上主義者のアイドル、「アーリア人の女神」などと揶揄されたりしていました。

 

Whiteness を強調しているといわれた PV。

youtu.be

 

courrier.jp

 

ところが、

えーっといつだったか、

 

セレブリティが積極的に政治的な発言をするアメリカでは、選挙が近くなると、セレブたちが自身の支持する政党や候補者の応援キャンペーンをSNSで行うのが常。

 

 そんななかテイラー・スウィフトは、政治的な発言をしない珍しいセレブとして知られていた。2016年のアメリカ大統領選時も、多くのセレブが共和党の大統領候補だったドナルド・トランプ氏を強く批判したがテイラーは沈黙を貫き、一部で「無責任」などと批判を浴びてきた。

 

 しかし10月8日、テイラーが約12年のキャリアで初めて、政治的な発言をすることを解禁。その理由を明かし、11月に行われる中間選挙を前に、民主党候補者への支持を表明した。

テイラー・スウィフトの初の「政治発言」を全訳、トランプ大統領も反応 - フロントロウ

 

そうそう、

 

昨年 2018年の中間選挙の前、10月8日に、突然 Swift さんが民主党候補への支持を表明したから、ちょっとした大騒ぎになりました。

 

びっくりですよね、

共和党支持かと思われていたのに。

 

Swift さん「人権を守り、闘ってくれる候補に投票してきたし、これからもそうする」宣言。

 

おおおおおーーー ! 

 

現物はこれ。

 

Taylor Swift on Instagram:

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taylorswift

I’m writing this post about the upcoming midterm elections on November 6th, in which I’ll be voting in the state of Tennessee. In the past I’ve been reluctant to publicly voice my political opinions, but due to several events in my life and in the world in the past two years, I feel very differently about that now. I always have and always will cast my vote based on which candidate will protect and fight for the human rights I believe we all deserve in this country. I believe in the fight for LGBTQ rights, and that any form of discrimination based on sexual orientation or gender is WRONG. I believe that the systemic racism we still see in this country towards people of color is terrifying, sickening and prevalent.
I cannot vote for someone who will not be willing to fight for dignity for ALL Americans, no matter their skin color, gender or who they love. Running for Senate in the state of Tennessee is a woman named Marsha Blackburn. As much as I have in the past and would like to continue voting for women in office, I cannot support Marsha Blackburn. Her voting record in Congress appalls and terrifies me. She voted against equal pay for women. She voted against the Reauthorization of the Violence Against Women Act, which attempts to protect women from domestic violence, stalking, and date rape. She believes businesses have a right to refuse service to gay couples. She also believes they should not have the right to marry. These are not MY Tennessee values. I will be voting for Phil Bredesen for Senate and Jim Cooper for House of Representatives. Please, please educate yourself on the candidates running in your state and vote based on who most closely represents your values. For a lot of us, we may never find a candidate or party with whom we agree 100% on every issue, but we have to vote anyway.
So many intelligent, thoughtful, self-possessed people have turned 18 in the past two years and now have the right and privilege to make their vote count. But first you need to register, which is quick and easy to do. October 9th is the LAST DAY to register to vote in the state of TN. Go to vote.org and you can find all the info. Happy Voting! 🗳😃🌈

 

日本語訳も紹介されています。

 

11月6日に行われる中間選挙についての投稿です。私はテネシー州で投票します。これまで自分の政治的意見を公に出すことを避けてきましたが、過去2年間に私の人生やこの世の中で起きたさまざまな出来事を考えて、意見が変わりました。私はこれまでも、そしてこれからもずっと、この国に住む全員の人権を守り、闘ってくれる候補に投票してきました。私はLGBTQの権利のための闘いを信じています。そして性的指向ジェンダーにもとづいた差別は間違っているとも信じています。未だにこの国で見る、有色人種の人たちに向けた制度的な差別は恐ろしく、極めて不快で、今でもこの世の中に存在しています

テイラー・スウィフトの初の「政治発言」を全訳

 

女性議員だったら誰でもイイというわけじゃない。ちゃんと政治家の実績を見て選ぶということ !

 

ウルトラ保守の共和党の女性議員には投票しない。 

肌の色や性別、そして誰を愛するかにかかわらず、すべてのアメリカ人の尊厳のために闘ってくれない人に投票はできません。今回テネシー州から上院議員に候補しているのはマーシャ・ブラックバーンという女性です。出来る限り女性の議員に投票するようにしてきましたが、私はマーシャ・ブラックバーンをサポートすることはできません。彼女がこれまで議会で行ってきた投票記録を見ると恐ろしくなります。彼女は女性の同一賃金についての案に反対しました。彼女はデートレイプやストーカー、家庭内暴力から女性を守るためのVAWA案の改正にも反対しました。彼女は企業側が同性愛者カップルにサービスを提供することを拒否してもいいと信じています。さらに彼女は、彼らには結婚する権利がないとも信じています。これらは私が考えるテネシーの価値観ではありません

テイラー・スウィフトの初の「政治発言」を全訳

 

人々に投票を呼びかける。 

 

まず知識を身につけて、自分の価値観と近い人に投票するということ。

私は、上院はフィル・ブレデセン氏に、下院はジム・クーパー氏に投票します。どうかお願いだから、自分の州の候補者について知識を身につけて、自分の価値観と近い人に投票してください。ほとんどの人にとって、100%賛成して投票できる候補者や政党はいないでしょう。だけどどちらにしても投票はしなければいけません

テイラー・スウィフトの初の「政治発言」を全訳

 

アメリカではまず、有権者は選挙登録しなければ投票できません。まず登録しよう、と呼びかける。

 

聡明で思いやりがあって、冷静沈着なたくさんの人々が過去2年間で18歳になりました。そして彼らは今、自分たちの投票に特別な意味を持たせることができるのです。だけどまずは、登録が必要です。すぐできて簡単なことです。テネシー州での登録の最終日は10月9日です。登録の情報はvote.orgで見つけられます。ハッピー投票!

テイラー・スウィフトの初の「政治発言」を全訳

 

なぜ、Swift さんがこれまで政治に沈黙してきたか、ひとつは、彼女の地元がテネシー州だったこともあるでしょう。

 

テネシー州カントリー・ミュージックの本場であり、また政治的には、ばりばりのレッドステイト。つまり共和党の地盤。

 

テネシー州を探してみよう !

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右真ん中の TN が Tennessee 州です。

 

また、カントリー・ミュージックといえば、白人系の保守に愛されるアメリカ中西部の音楽。まあ、アメリカ白人の音楽と言ってもいい。

 

Swift さんの初期の楽曲はもっとカントリー・ミュージックっぽいですよね。

 

地元もファンも共和党が強い土壌ならなら、

ちょっと声が上げにくい状態ですね。

 

けれども何かが彼女を動かした。それは多分、トランプ政権の、この二年間だったと思います。

 

今日の CNN ニュース、みてみよう。

 

CNN.co.jp :

米歌手T・スウィフト、もっと政治的発言増やす 次期大統領選控え

2019.03.09

(CNN) 米国の人気女性歌手テイラー・スウィフトさんは9日までに、次期米大統領選を2020年に控え、「自らの影響力を使う責任を自覚している」とし、大統領選へ向けた活動を強める考えを示した。

 

米誌エルへの「私が約30年の人生で学んだ30の事柄」と題する寄稿の中で述べた。スウィフトさんは数カ月後に30歳となる。

 

スウィフトさんは「政治の面で自分の声を見い出している」とし、十分な時間をかけて国民の日常生活に響く法案に署名する政治制度や政府の形態を勉強したと指摘。「我々の最大の弱者を危険にさらす多くの問題を目撃した」と指摘し、「声高に変革の実現を助けなければならないと感じる」と訴えた。


また、政治問題については事情を十分に把握したと主張し、今や自らの約1億1400万人のフォロワーに語りかけるのに十分な資格があると考えているとも述べた。「みえみえのベールをかぶせる形のメッセージで人種差別や恐怖感を植え付けるのは我々の指導者に求めていることではない」と暗にトランプ大統領を批判。「手助けするため私はより以上のことをする」とし、「我々には来年、大きな競争がある」とも続けた。

 

スウィフトさんは昨年11月の米中間選挙テネシー州の連邦上下両院選挙で民主党候補を支持する政治的な意見の表明で話題を呼んだ。半面、政治的に保守的な立場にあるファン層からは批判もされていた。選挙では上院選候補が落選、下院では当選していた。

 

スウィフトさんは当時、政治的な立場表明を避けてきた自らの人生を認めながらも、過去2年間における個人的な生活や世界での幾つかの問題に直面し考えが変わったと主張していた。

 

オバマ政権からトランプ政権へ。

 

移民問題LGBT の事に関しても様々な現実を目にしてきて、Swift さんがすごい危機感を感じて自らの意思で動いているのがよくわかりますね。

 

すごいですね、トランプだってドイツからの移民三世なのに・・・。

www.asahi.com

 

2年前のオバマ政権と間反対の方向に…。

gendai.ismedia.jp

 

トランプさん、アフリカや中米の国々を shithole (肥だめ) と呼んだり、差別発言が絶えない。

www.bbc.com

 

さらに政治的発言を続けていくというテイラー・スウィフトさんに、これからも注目していきたいですね !

 

テイラー・スウィフト、日本のCMに初出演 - YouTube

youtu.be

 

 

で、最後に、

日本での状況と比較してみたいと思います。

 

アメリカと違って、日本では、セレブやタレントは政治的なコメントをするのが「タブー」とみられていますが、それはほんとでしょうか、

 

それはちょっと浅い見方だと思います。

 

最近、芸能ニュースで話題になったことを一例に挙げましょう。

 

ローラさんもりゅうちぇるさんも、辺野古埋め立て反対署名を呼びかけました。 

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モデルのローラさんが辺野古埋め立て反対の署名活動をインスタで呼びかけたことが、テレビで「問題」とされました。彼女を名指しで批判する芸能人やメディアがどっと出てきました。

 

blogos.com

 

ところが、よーく注意してみてみましょう。

ローラさんを激しく非難していた芸能人やメディアは、むしろ政治的には現政権支持の発言や活動を積極的にやっている人たちでした。

 

ローラさんに勉強不足だとか言っていた西川史子さんは、BPO 放送倫理委員会で、むしろ沖縄に対するヘイトとフェイクニュース番組だと厳しい審議をうたけたテレビ DHC 『ニュース女子』で長年司会をやっていることで有名です。

 

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ニュース女子』という番組を制作しているのは化粧品やサプリで有名な DHC です。

sophist.hatenablog.com

 

また、高須クリニック高須克弥医院長は「僕なら CM 下ろす」と発言していたけど、高須さんはツイッターでたくさん沖縄ヘイトを投稿し、関西出身の「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔さんとネットバトルで有名です。またユダヤ人の虐殺 (ホロコースト) は無かったと思う、とか、間違った史料をつけて従軍慰安婦は売春婦だったなどとネットで拡散している人ですね。

 

www.huffingtonpost.jp

okinawansea.hatenablog.com

 

 

【注意点】

政治問題を「読む」ときは、特にその記事の発信元を注意してみてみましょう。

 

芸能のサンスポやスポニチなど、保守系の週刊誌はこぞって高須さんを擁護し、ローラさんや村本さんを批判した記事を大量に量産していますね。

 

一方で、大手の毎日新聞や、リベラル系のメディアなどは、たくさんローラさんを擁護した記事をリリースしています。 

 

検索してみると、量の上で勝っているのは、サンスポやスポニチまとめサイトなど、ネット上では、ローラさん批判のほうが多いように見えます。

 

西川史子さんや高須克弥さんが日常的に政治的発言をしていても問題とされないのに、なぜローラさんの場合は激しいバッシングがまきおこったのでしょうか。

 

つまり、日本では、芸能人が政権を擁護する発言や活動をするばあいは何の問題にもされないけれど、

 

いったん芸能人が政権と逆行する発言や活動をする場合は、「政治的」とみなされて「問題化」されていく傾向にあると言うことがわかってきます。

 

こういうところにも、日本の「長いものに巻かれろ」的な同化志向が現れているような気がします。だから声上げにくい。

 

でもこれは日本だけ。

 

海外ではまったく違ってる、政治語れるセレブは知性的だし、だからハリウッドの俳優や歌手の人たちも社会的なコミットメントをするのは普通だし、それによって人々からも尊敬されてる、っていうのを見ていってほしいと思います。 

 

テイラー・スウィフトさん、かっこいいね。

 

youtu.be

 

これらのことを踏まえたうえで、

 

10月に民主党支持を公表したころにリリースされた Swift さんの Delicate という楽曲を聞いてみましょう。

 

表向きは恋愛の曲のようにみえるけど、いろいろデリケートな状況に置かれていても、勇気をもって声を出していく、ひとりの女性の魅力的な強さがしっかり表現されていると思います。

 

文学ですね !

 

www.youtube.com