ニュースの読み方 ~ 「ブルーインパルスが都心上空を飛行 医療従事者などに感謝の意」のニュースと映像の構図
新型コロナ対応で仕事が大変で、もちろん医療関係者の方たちの労苦に比べるとほんと苦労のうちにも入らないほどだと思いますが、それでもやっぱり睡眠時間削りながら普段の倍も神経使って仕事しています。
そんななか気になる記事があったのでやっぱり睡眠時間削ってでもメモっておきますね。
こんななか、
自衛隊の広報機ブルーインパルスが東京を飛ぶことが医療従事者への感謝といって、すごい写真がいっぱいメディアからリリースされてきて、ちょっと繋がりがよくわからないのだけど、ちょっと気になりました。
こういうやつね。
こういうのって、取材陣カメラが、病院の職員と一緒に病院の屋上に上がって、あらかじめ用意してないと取れない写真の構図じゃないですか。
https://www.sankei.com/politics/news/200529/plt2005290021-n1.html
職員の後ろ、足下に低くカメラを構えて、計算された構図で撮る写真です。
これもブルーインパルスより職員のほうに向いてビデオまわす。
ありがとーありがとーという叫び声まで聞こえます。
ちょっとなんかカーゴカルトみたいです。
【 #ブルーインパルス 病院の上空を飛行✈】
— 日テレNEWS (@news24ntv) 2020年5月29日
屋上でカメラを構えた医療従事者からは大きな歓声と「ありがとう」の声があがりました#医療従事者へエールを#ありがとう pic.twitter.com/1xJXrE3Mil
でも
病院の屋上に上がっていたのは、医療従事者と、医療従事者が歓喜している写真の構図をとろうとするメディア人だけではなかったようなので。
病院屋上に自衛官の姿。
東京上空に「ブルーインパルス」、 医療従事者に“不死鳥”の隊形で
東京上空に「ブルーインパルス」、 医療従事者に“不死鳥”の隊形で
29日 16時00分
新たなステップへと進む今、東京の空に医療従事者への「感謝の思い」が広がりました。
「東京の空をブルーインパルスが飛行しています」(記者)
五月晴れの東京上空に、白いスモークを描く航空機。新型コロナウイルス感染者の治療にあたる医療従事者など、新型コロナウイルスの対応に当たる全ての人に敬意と感謝の気持ちを示すため、航空自衛隊のアクロバットチーム「ブルーインパルス」が東京の上空を飛行したのです。
「私もこの(墨東)病院に通っていたので、看護師さんたちとか、ありがとうという気持ちで空を見ていた」(女性)
「少しでもみんなの感謝が、思いで伝わればいいなと思います」(女性)ブルーインパルスの飛行チーム6機は29日午後0時40分ごろから午後1時までのおよそ20分間にわたり、東京スカイツリー周辺や東京駅上空などを飛行。新型コロナ患者を受け入れている病院などの上空も飛び歓迎を受けました。今回、東京上空を2周しましたが、2周目はフェニックスという飛行隊形で、2011年の東日本震災後、復興のシンボルとして不死鳥をかたちどったものです。
東京都心をブルーインパルスが飛行するのは、2014年の国立競技場の建て替えに伴うイベントでの飛行以来3回目で、安倍総理も総理官邸の屋上から飛行の様子を見守り拍手を送っていました。
NHK や TBS も、日本のメディアがこぞってこの病院の屋上にスタンバイしたみたいですけど、これ自衛隊病院ですよね。それ書かないとダメでしょ。
ブルーインパルスが都心上空を飛行 医療従事者などに感謝の意 | NHKニュース
ブルーインパルスは、29日午後0時半すぎから6機が編隊を組んで飛行し、都心上空の高度1000メートルほどに、スモークを使って白いラインを浮かび上がらました。
今回の飛行について航空自衛隊は、新型コロナウイルスに対応中の医療従事者などに、感謝と敬意を示すためとしていて、飛行ルートは、患者の受け入れにあたってきた病院の上空を飛ぶように設定されました。
病院では機体が見えると、スマートフォンで撮影したり、手を振ったりする人の姿が見られました。
航空自衛隊によりますと「ブルーインパルス」による都心上空での展示飛行は、昭和39年の東京オリンピック開会式と、平成26年の国立競技場の改築に伴うお別れイベントでも行われ、今回が3回目だということです。
どこにも書いてないですね自衛隊病院だってこと。
自衛隊病院も、いわゆる military hospital ですから、医院長をはじめ、管理職は自衛官の技官だとおもいます。
自衛隊病院(じえいたいびょういん)とは、防衛省が設置・運営する陸・海・空自衛隊の共同機関であり、自衛隊中央病院や陸海空幕僚長を通じて指揮監督を受ける自衛隊地区病院の総称。共同機関以外に防衛省が設置する病院として防衛医科大学校病院がある。
民間病院のスタッフが一斉に屋上に並んで手を振る余裕の時間をとるのは難しいし、変だなあと思っていたけど、
これほんとに、実際には自衛隊と自衛隊病院とメディアの、パッケージなんですよね。
私の友達も病院の職員だけど、シールドや防護服やアルコールなどが具体的に不足し、みんな自分の生命を危険にさらしながら働いているなか、広報機とはいえ、一時間で一万リットルもの膨大な燃料を消費する戦闘機クラスが頭上を飛ぶのを見て喜ぶより、さきに医療物資と補償を約束して、と言いたくもなります。
ブルーインパルスが医療従事者に希望を与えたって書いてる方がいますが
— 長島可純 (@NagashimaKazumi) 2020年5月29日
わたし、希望じゃなくて、普通に呆れてたんですが。
そして、ほしいのは「希望」じゃなくて
「仕事に必要なマスクや消エタの安定供給」です。
そんなの飛ばすお金あったら
マスクとか支給してほしい
まじ勘弁してくれ…
知っておきたい戦闘機の燃費とアフターバーナー
日本航空教育協会会長、鹿児島県警本部長、小泉総理秘書官、参議院議員、衆議院議員など歴任されている方はこのようにツイート。
報道機関は麗しい光景として伝えた。
— 小野次郎 (@onojiro) 2020年5月29日
だが敢えて厳しいコメントを掲げる。
今日のブルーインパルスは、公務員が税金使って既定のコースをデモ飛行しただけ。
医療従事者への感謝と敬意を表わすボランティア精神は、どこにも見られない。
税金で大盤振舞いなら、アベノマスクと発想が変わらない。 https://t.co/b8CY1DpRY6
やはり、防衛省内にも、よく分からないパフォーマンスに慎重な見方の幹部もいると知って、安心した。 https://t.co/DnONjzVUyO
— 小野次郎 (@onojiro) 2020年5月30日
ブルーインパルス感謝の“航空ショー”は誰の発案? - 社会 : 日刊スポーツ
ブルーインパルス感謝の“航空ショー”は誰の発案?
[2020年5月30日17時6分]
医療従事者等の人々へ敬意と感謝の気持ちを込め、東京都内上空をブルーインパルスが飛行した。撮影場所は都立墨東病院近郊(2020年5月29日撮影)
航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」6機が29日、新型コロナウイルス対応に当たる医療従事者への感謝と敬意を示そうと、東京都心上空に白いスモークでラインを描いた。好意的な受け止めが広がる一方、防衛省は誰の発案で、いつ決まったのか明らかにしていない。約20分にわたった異例の“航空ショー”について、省内からも説明を求める声が上がっている。
「プロセスはどうでもいいだろうと思う」
フライトを直前に控えた当日の記者会見。河野太郎防衛相は概要や趣旨を説明する傍ら、誰が発案したのか問われると、こうはぐらかした。丸茂吉成航空幕僚長も飛行後の記者会見で「飛行することが重要で、プロセスは控えたい」と述べた。
記者会見では歯切れの悪かった河野氏だが、ツイッターでは一転、飛行経路の地図を示し「入間基地を離陸しました」「二周目、開始」などと逐一投稿した。終了時には「ブルーインパルス、帰投します。ありがとうございます!」と結んだ。
こうした姿勢に、省内では「はしゃぎすぎだ。自分の宣伝に利用したと言われても仕方がない」との指摘も。自衛隊幹部は「ブルーインパルスの飛行が、どうして医療従事者への感謝になるのか」と冷ややかに語った。
東京上空は航路が過密状態でブルーインパルスが飛行する余裕はなく、1964年の東京五輪開会式など限られた機会にしか実現していない。
29日の飛行は、埼玉県の空自入間基地を出発し、千葉、神奈川との境界まで含む経路を2周する異例のものだった。
新型コロナの影響で羽田空港の発着便が減少しているとはいえ、政府関係者は「相当な調整が必要だったはずだが、一気に決まった」と打ち明ける。防衛省幹部は「公表直前まで知らされなかった」とこぼした。
別の防衛省幹部は「政治利用ではないかとの批判を警戒しているのだろうが、誰がどう決めたのか説明しないと臆測が広がりかねない」と話した。(共同)
自衛隊幹部の人がこう言ってるのだから、やはりそこのところは説明聞いてみたい気がします。
自衛隊のブルーインパルスが飛ぶから、どうかメディア各社は自衛隊病院の屋上に上がって一斉に写真撮ってください、という話になったんでしょうか。
だったらそれも含めて書くのがメディアであり、自衛隊病院だということも書かないまま、ステージングを一体になって演出すると、全ての病院関係者が感涙したかのように報道されるので、それはどうかと思います。