Sophist Almanac

世界について知りたいとき

メディアの読み方 日本はレイシズムをしっかり学び考えることをしてきたでしょうか

 

番組「世界のいま Mr.シップ」が問題となった点

人種差別や警察暴力は「ののしり合い」から生まれたものではありません

NHK は (ニュース番組は別として) 他局では決して真似できないような素晴らしいドキュメンタリー番組が多く、コロナの時期だけでも大量のドキュメンタリーアーカイブを学生たちのためにオープンしてほしいとずっと思っていたのですが、

 

今回問題になっている番組は、このツイート一つとっても、完全に間違っていますね。⇩ なんで勉強不足のまま番組を作っているのでしょうか。

 

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https://twitter.com/nhk_sekaima/status/1269561000316960770

 

メディアに携わる人間はこのような偏見や差別を助長するステレオタイプや人種差別的な憶測を決して垂れたれながしてはいけません。

 

アメリカの警察暴力や人種差別は「お互いのののしりあい」から生まれたものではありません。むしろ議論に議論を重ねながら差別や組織的暴力と戦ってきたのです。大丈夫なんでしょうか、日本のメディアは。

 

 

社会の分断を生むのは、議論ではなく差別やデマやヘイトです。そこ、まずちゃんと抑えなければ、沈黙が美徳とされ、永遠にディスカッションできない国になりますよ。

 

これもひどい。

 

 

いったい誰に取材したらこんな「偏見」がでてくるのでしょう、警察官はアフリカ系の人も多いですよ。白人至上主義者にでも取材したのでしょうか。本当に恐怖心をひきおこしているのは銃という暴力です。

 

番組の制作者は自分の偏見や思い込みで番組を作るのではなく、知らないことは専門家にきっちりとアドバイザーになってもらえばいいじゃないですか。日本だって、いくらでも人種問題を研究しているひとたちはいます。

 

てゆうか、日ごろからちゃんと人種問題を学んでいれば、ぜったいに、こんな白人至上主義団体の典型的ないいわけを NHK のツイートとして流したりするわけはありません。学生なら、もっと学びなさい、で済みますが、メディア人としてこれはもう失格です。

 

差別を再生産するステレオタイプをつかったアニメ

しかもこんなカリカチュア、もう人種差別ステレオタイプの典型を描いてどうするんですか・・・。

 

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japantoday.com

 

アメリカ大使館から強いクレーム。ふつう、逆じゃん。アメリカ大使館に人種差別の抗議を申し入れる側であってほしい NHK が・・・・嘆かわし過ぎる。

 

 

 

さっそく英国ガーディアン紙が批判してる。

 

 

ほんと NHK はひどいアニメを作ってたんですね・・・。だれも製作段階でひとりもこれはステレオタイプだという人はいなかったんですか。

 

 

アメリカ公共放送「セサミストリート」の多文化教育

デモや抗議の大切さを子どもたちに伝えるエルモパパ

セサミストリートは1969年にスタートしたアメリカ多文化教育の原点。さすがですね ! 公共放送たるもの、こうでなくっちゃ !

 

見かけだけで判断するのではなく、物事の背景をしっかりと子どもたちに伝えることが大切。パパは、デモをエルモくんにどう伝えているでしょうか。

 

 

 

youtu.be

 

政治や人種や民族問題を骨抜きにした教育には意味がないのです。

 

日本は就学前児童どころか、高校までの教育に多文化教育や公民権教育といったものはほとんど導入されていませんね。

 

一方、アメリカ公共放送 PBSセサミストリートでは、こうした多文化教育や公民権教育といったものを子どもたちにマペットを通じて伝えていきます。

 

幼稚園保育園の preschooler (就学前児童) の子どもたちにも、民主主義の原点であるデモにはどんな意味があるのか、レイシズムとはどういうことなのか、伝えていくというのがどんなに大切かということをエルモくんのパパはわかりやすくエルモくんに伝えています。

 

そういうことを、日本の大人たちも子どもたちに伝えていける社会になりたいですね。

 

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もっと読んでみよう。

暴動が可能にしたこと|Toki|note