「沈黙は暴力」 ~ 大阪なおみ選手、「成長するということの素晴らしさ」について語る
Naomi Osaka Returns for Another Searing, Social Justice Ad for Beats by Dre
「自分自身で物事を学び、見るということ」の大切さ
新しい大阪なおみ選手の CM が海外で話題になっているみたいで、インスタを見にいったら、なおみ選手の言葉の見事なスマッシュに圧倒されました。
これね。
なおみ選手のビーズヘアに注目して !!!
As a kid growing up I never really talked, I was the quiet one (honestly still am lol), I was the one that wanted to just skate by unnoticed and conflict-free.
子どもの頃からずっと私は実際に話すということはありませんでした。私は静かな人で(正直なところ今もまだそうなんですが笑)。私は気づかれないまま争いごとなどなく、ただ単にやりすごすことができたらいいなと思っていた人だったんです。
But the beauty of growing up is learning and seeing things for yourself, one of the things I’ve learned is that everyone has a platform and how they use it is their responsibility.
でも、成長するということの美しさは、自分自身で自ら物事を学び、見るということです。私が学んだことのひとつは、誰もがプラットフォーム (自分の表現の場) を持っており、それをどのように使用するかは私たち自身に任されているということです。
As I grow more I will learn more things, but at the moment I can only hope I’m using my platform well.
成長すればするほど、私はより多くのことを学んでいくことでしょう。でも現時点で、自分のプラットフォームをちゃんと利用できているということを願うばかりです。
成長するということの美しさは、自分自身で自ら物事を学び、見るということ。
自信がないことがプレーの弱点、といわれていた、かつてのなおみ選手から、どれほど彼女が自身の声で発信し、歩んでいるか、その力強さと確認を私たちは彼女の投稿動画の中に見ることができます。
本人も言っているように、彼女はあまりおしゃべりではない、シャイなタイプなんですが、その彼女が
Silence Is Violence
と。彼女のビーズヘアにはこうデザインされています。
問題となっていることを、見て見ぬふりをする事が、暴力なんだと。
ヘッドフォンなどの音響機器ブランド Beats by Dre の新しい広告キャンペーンに大阪なおみさんも出演しています。みつけてみよう !
You love black culture, but do you love ME?
Beats by Dr. Dre 'You Love Me': Naomi Osaka, Bubba Wallace star in powerful ad
まさに、黒人文化は商品化し消費しつつも、ひとりひとりの人権に、人種差別に向きあおうとしない世界に強いメッセージを発信しています。
大阪なおみさんの Black Lives Matter の声に関しては、日本のツイッターにちょっとひどすぎる中傷リプライが多く寄せられ、気になっていましたが
彼女は8月27日に準決勝を棄権するという旨をTwitterで表明したが(後に方針を変え実際には棄権せず)、そのツイートには「暴徒擁護」や「意味不明」といった日本語のリプライがつき、15日にWWD JAPANが「【ニュース】大坂なおみ選手と「アディアム」とのコラボコレクションが発売」というツイートをすると、「テニスに政治を絡めてくるなんて不愉快」「不買運動」「日本人をやめてください」などのリプライがついた。こちらのリプライ欄は差別的なコメントが非常に多く、そもそもまっとうな批判にすらなっていないと筆者は思う。
また、毎日新聞の11日の記事「大坂なおみの人種差別抗議に国内外で温度差 スポンサーの微妙な事情」によれば、スポンサーからも「人種差別の問題と本業のテニスを一緒にするのは違うのでは」との声が上がっているという。
毅然とBLM支持を示した大坂なおみ選手への日本特有の批判。大坂世代の若者はどう見たか?(HARBOR BUSINESS Online) - Yahoo!ニュース
なんか、もう「テニスに政治を絡めてくるなんて不愉快」とか、いうコメント自体が、テニスの歴史すらわかってない、という感じして、情けない・・・。女性テニスプレーヤーが活躍できるようになるまで、どれだけ選手たちが頑張ってきたのか、もちろん、無知のまま上から目線なんでしょうけど・・・。
彼女が自分でこういう書き込みに打ち返してるのもすごいですよね。
Nike と Nisshin - 選手を応援するということは !?
日清食品は昨年の1月になおみ選手の表象を whitewashing していると海外メディアを中心に話題になりましたが、
こんどは日本でもまたツイートが炎上。企業にとって炎上はつらいですが、日本で BLM にどう向き合うべきなのか、じつはこういう議論も一つ一つ積み重ねていくことが、日本でも大切だと思います。
20年9月に行われたテニスの全米オープンでは、大坂なおみ選手が着用するマスクを通じてBLM運動を支援する意思表示をしたことが、国内外メディアで取り上げられた。大坂選手は1回戦から決勝まで、過去に警察などの暴力の犠牲となったアフリカ系アメリカ人の名前が印刷された7枚の黒いマスクを用意。犠牲者の命を尊重する意味を込めた「BLM」マスクを着用して試合に臨んだ。
世界的に注目が集まる全米オープンの場で、人種差別に「NO」を突きつけた大坂選手の毅然とした姿は、人種的マイノリティーをはじめとする多くの人々を勇気づけ、称賛を集めた。
そんな中、大坂選手のスポンサー企業でありながら、批判を浴びることになってしまったのが日清食品だった。日清食品は、BLM運動に逆行する行動をしたわけではない。そもそも批判の対象は、米国での事業活動でもない。では何が問題となったのか。
日清食品は、全米オープン開会直後の20年9月1日、大坂選手が2年前の全米オープンで優勝した後の記者会見で語った「原宿に、行きたい。」という言葉を添えた、同選手の写真を公式ツイッターに投稿。「ついに始まるグランドスラム!どんな応援をすれば大坂なおみ選手の勝利に貢献できるのか色々と考えた結果、大坂さんのことを好きになってもらえたら勝ちだなという結論にたどり着いたので、かわいい情報を置いておきます。大坂選手、頑張れ!」といったメッセージを添えた。
大坂選手の魅力を伝えようという趣旨の広告だったが、これが、批判の火種となった。このツイートには600超のコメントが書き込まれ、その大半が批判的だったのだ。
世間では大坂選手の「BLMマスク」が注目と賛同を集めているのに、彼女のそうした社会的な姿勢には注目せず、「かわいい」などというコメントに終始したことが、ファンや同選手の活動に賛同する人々の怒りを買った。
「BLM運動に言及せず、大坂選手を『かわいい』というイメージだけで語ろうとするのはいかがなものか」「大坂選手の意思や人格、生き方を尊重していない」といった趣旨の批判が集まってしまった。
ここで比較対象として取り上げられたのが、同じくスポンサー企業として同時期に広告を出していたナイキだった。ナイキは20年9月13日、公式ツイッターに「この勝利はじぶんのため この闘いはみんなのため」というキャッチコピーが添えられた大坂選手の写真を「#YouCantStopUs」のハッシュタグとともに投稿した。
大坂なおみ選手の人種差別抗議で日清食品は炎上、ナイキは絶賛のワケ | それをやったら一発アウト!会社を潰す人権違反 | ダイヤモンド・オンライン
Nike の動画も見て見ましょう !
最後のメッセージが、ぐっとくるよね。
大阪なおみ選手に関する人種と表象 (representation) について
P.S.
12月7日、日本語版の動画がでたが、あまりに誹謗中傷ばかりのコメントで、日本でいかに「日本に差別はない」という人たちが暴力的なのかを可視化している。これほどネガティブなコメントばかりで、いいねより低評価の方が多いとか、アメリカですらありえないでしょ。
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