A Good Lie - 難民の人たちと共に生きて学ぶということ - スーダンのロストボーイズについて
この映画との出会いは、なんか運命的だった。
ビルマ・タイ国境のメラウー難民キャンプからの帰国フライト中に、偶然 A Good Lie という映画を見た。飛行機の中で見る、あれでね。
ちょっといろいろあって、帰国の時、泣きたいくらいへとへとに疲れていたけど、笑いと優しさでいっぱいの、この映画にすっかり癒されたよ。元気でた。
予告編みてみよう。
前半はスーダンが舞台、
後半は第三国定住 (third country resettlement) で渡ったアメリカが舞台。
Refugee Resettlement とは、すでに難民キャンプで生活するなどして難民となっている者を、別の国が受け入れる制度。国連難民高等弁務官事務所 (UNHCR) は、自主帰還、庇護国への定着と共に、難民保護に必要不可欠な手段として挙げる 。(Wikipedia)
そしてエンドロールでさらに感動的なのは、演じていた俳優たちが、実際に家族を殺されたり、内戦の中で少年兵にされたりした過去を持つ Lost Boys of Sudan とよばれる難民の人たちだった、ということ。第三国定住でアメリカに移住して、教育を受け、様々な分野で活躍しています。主人公のゲール・ドゥエイニーさんも、ロストボーイズの一人だったけど、いま、モデル、俳優、そして国連親善大使を務めているんだ。
スーダンのロストボーイズとは、第二次スーダン内戦時(1983年〜2005年)に、住んでいた場所を追われて孤児となった、スーダン南部のヌエル族やディンカ族の少年たちの集団の呼び名である。この内戦で約二百五十万人の南部住人が殺され、数百万人が居住地を追われた。「ロストボーイズ」の名は、子どもたちが避難生活を送っていたケニアやエチオピアの難民キャンプで、職員たちからそう呼ばれたことに由来する。この名は、南スーダンの独立後、2011年〜2013年に起きたスーダンとの国境紛争から逃れた子どもたちにも、再度使用された。(Wikipedia)
俳優/モデルでUNHCRの親善大使(東アフリカ・アフリカの角地域)。映画『グッド・ライ~いちばん優しい嘘~』では主人公の一人、ジェレマイア役として出演。1978年、スーダン南部(現在の南スーダン)で生まれ、内戦のさなか家族と離ればなれになり、強制的に少年兵として徴兵される。14歳でエチオピアの難民キャンプへと逃れ、その後第三国定住で米国へ移住。米国の大学を卒業後、2014年にケニアのカクマ難民キャンプで母親と再会を果たす。2015年にはUNHCRの親善大使(東アフリカ・アフリカの角地域)に任命され、難民の声を世界に届ける活動を精力的に行っている。©UNHCR/Dominic Nahr
ジェレマイア役のゲール・ドゥエイニーさんは秋ごろUNHCR 親善大使として来日。スーダンで強制的に少年兵にされた彼が語るのは、現地で最も必要なのは教育である、と語る。
だからこそ、少年兵を相手に戦うために日本の軍隊を送るのではなく、日本が両スーダンのためにできることはもっといっぱいある。
日本の学校の破棄される備品ひとつひとつ、大量に破棄される忘れ物文房具ひとつひとつが、現地では役に立つのに。
難民をなぜ受け入れるの?
それはもちろん人道的な必要性もあるのだけど、私たち自身が、難民の人たちから学ぶことが、あまりにもたくさんある。私たちこそ、彼らと共に生きて教わることが必要だからだ、という点も忘れてはいけない。
それを教えてくれるやさしい映画。
例えば、大学でテキストを読んでいても、日本では、あまりにいろんなことが当たり前すぎて、若い学生たちには、書いてあることがすぐに理解できないこともある。
死、苦しみ、生きること、食べること。
当たり前すぎてその価値や意味が理解できない民主主義や自由の大切さ。
教育や支えあって生きることの大切さ … 。
こうしたことを
難民の学生たちと机を並べて
大学で共に学べるなんて、
きっと素晴らしいはずなんだ。
Although our differences may divide us,
our common humanity unite us.
Because we are sisters and brothers, all of us.-- A Good Lie --
難民について考えてみよう !
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日本もかつて、第二次世界大戦中、陸軍が沖縄で十代の少年達を集めて少年兵にしていました。「護郷隊」という名前を付けられた彼らの歴史は映画にもなっています。
世界の歴史を学んだあとで、日本の歴史を見直してみると、また、ちがった学びがあります。みてみよう。