Sophists' Almanac

世界について知りたいとき

To serve a role model ロール・モデル (役割モデル) ってなんだろう ~ 子どもたちに大きな夢を

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英語を読んでいて時々出てくる role model という単語

 

She serves a role model for all African American girls.

 

このロールモデルってなに、って質問を受けることがあるのですが、えーっと、うまく答えれているかどうかわかりません。

 

role model = 役割モデル、って何だろう。

 

ま、もちろん言葉で説明することも大切なんですが、一枚の写真が多くを語ることもあるので、最近 viral に話題になった写真をあげておこうかなーと思います。

 

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最近、Washington D.C. の National Portrait Gallery に、前大統領とファーストレディー肖像画が納められました。

 

それを見ている二歳の女の子の、この表情 💕

 

かわいいね💕

 

お母さんは、アメリカ初のこの美しいアフリカ系アメリカ人ファーストレディー肖像画を前にして、この子にこちらに振り向かせて写真をとりたかったのだけど、この子は、うわぁー、ってなってしまった。他の男性がその様子を写メって投稿したら、もうそれが大きな大きな感動を呼んで viral になった。

 

Parker Curry, age 2, was not being cooperative.

Standing in front of the new painting of former first lady Michelle Obama at the National Portrait Gallery, Parker ignored her mother’s pleas to turn around for a photo.

“All I wanted was just one pic,” Parker’s mother, Jessica Curry, said Sunday. “She was just so fixated on the portrait and wouldn’t turn away from it.”

Curry, a lifelong District resident, was so fixated on her daughter being fixated on the portrait that she didn’t see a man to the side taking a cellphone photo of the moment — Parker in utter awe, her mouth agape.

The next morning, Curry said, her phone “blew up.”

The man to the side — ­37-year-old Ben Hines, who was in town from North Carolina visiting his parents in Alexandria — posted the photo on Facebook. It went really, really viral. And suddenly, little Parker went from being a little difficult to being more than a little famous.

The photo, taken Thursday, has been shared, liked, tweeted, retweeted and Instagrammed thousands of times around the world. Obama reacted with not one but three heart-eye emoji.

Many of those who responded to the photo said they were ­inspired by Parker’s reaction.

“This is what America is all about,” tweeted an Atlanta man.This young girl can now dream about being someone like Michelle Obama.

Tweeted another: “I needed to cry over something beautiful ­instead of crying over frustrating news.”

 

‘A moment of awe’: Photo of little girl captivated by Michelle Obama portrait goes viral - The Washington Post

 

私たちはどんな境遇にあっても夢を持つ。でも、アメリカの歴史において、アフリカ系の女性の子どもたちが、周りの大人を見て、どんなふうになりたいか、アフリカ系アメリカの女性たちの社会での活躍が非常に制限されていた時代にあって、小さな子供たちが、こんなふうになりたいなって思える役割モデルは著しく制限されていたと言ってもいい。

 

でも、そんなイメージがこの十年前で大きく変わったよ。

 

ポストオバマの混迷はあるとしても、でも確実にアメリカの歴史はその change を経験した。

 

 

で、この大統領夫妻の肖像画に関して、ものすごい中傷があったの。とっても素敵に見えるけど。

 

オバマとミシェル肖像画の「謎解き」~低俗な中傷にも品位を保ち続けた夫妻 - wezzy|ウェジー

 

 2月中旬、アメリカはオバマ夫妻の肖像画にまつわる「謎解き」に躍起になった。一般人もメディアも絵に隠された「秘密のメッセージ」を読み解こうとし、複雑な分析記事やSNSへのコメントが玉石混合状態で飛び交った。

 まずは2枚の肖像画をご覧いただきたい。

 いずれも斬新かつモダンな作品だが、歴代大統領の肖像画史上、これほどの騒動は初めてではないだろうか。オバマ夫妻は引退してなお、アメリカ社会と歴史に一石を投じ続ける。

オバマ夫妻が名指したふたりの画家

 2月12日、スミソニアン博物館のナショナル・ポートレイト・ギャラリーに展示されるバラク・オバマ前大統領と、ミシェル・オバマ前ファーストレディの肖像画が公開された。

 アメリカの伝統として、歴代大統領の肖像画ホワイトハウススミソニアン博物館にそれぞれ異なる作品が収蔵される。大統領任期の後期に画家が選定されて制作に取り掛かり、引退後に公開される。アメリカという国で大統領がいかに大きな存在であるかを物語る伝統だ。

 話はややずれるが、現役の、または歴代の大統領について子供に教える本や絵本も出版されている。私も3歳児くらいが対象の絵本(各大統領がかわいい二頭身のイラストで描かれている)と、中学生あたりが対象の、各大統領のバイオや業績が詳しく書かれた本を購入して持っている。これもやはりアメリカにおける大統領の重要性ゆえだ。

 それでも肖像画がこれほどまでの話題になろうとは。理由は画風の斬新さだけでなく、背後にある人種問題だ。

 

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 オバマ大統領の肖像画キハインド・ワイリーが描いた。米国美術界ではすでに名の知られた画家だ。ワイリーはヒップホップ・ファッションのアフリカン・アメリカンの若者を、古いイギリスの壁紙の柄を背景に描くことで知られる。米国と英国。現代と伝統。ストリートと上流階級。まさにミスマッチの極地だが、そこにはワイリーにしか描けない世界が広がる。精緻に描かれた壁紙の花柄と、見る者を引きつけてやまない黒人青年の眼差し。さらにはナポレオンを描いた古い名画を、黒人男性に置き換えて描くことすらしている。つまりワイリーは、ストリートの黒人青年をノーブル(高貴)に描くことに挑戦し続けているのだ。

 

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 ミシェルを描いたエイミー・シェラルドは今回の肖像画までワイリーほどの知名度はなく、したがって大抜擢だったと言える。シェラルドは出身地の米国南部から東部のボルティモアに移り、インナーシティと呼ばれる貧困都市部を目の当たりにしたことから、以後、アフリカン・アメリカンのみを描き続けている。精緻に描き込むワイリーとは対象的な単色の背景にグレーの肌とカラフルな衣装でこちらをまっすぐに見つめる眼差しの人物を描く。

こんな大統領の肖像画は初めて!

 ワイリーとシェラルドはまったく異なる画風を持つが、どちらも伝統的な大統領の肖像画とはまるで異なるタッチだ。それが見る者にショックを与えた。

 ワイリーはいつもの古い壁紙の代わりに、緑の葉でオバマ大統領の背後を埋め尽くした。いくつか描かれた花は、大統領の父の国ケニアのアフリカン・ブルー・リリー、大統領の出生地ハワイのジャスミン、政治家としてのスタートを切り、今ではオバマ家の地元となっているシカゴのキクだ。

 大統領は微笑んでいない。何かを思索する深い眼差しだ。大統領時代からトレードマークのほがらかな笑顔の背後で常に思考思索をおこなうオバマの側面を描いたのだ。

 シェラルドが描いたミシェルは、一部で「あまり似ていない」と評された。しかしシェラルドが描いたのはミシェルその人であり、かつミシェルが体現する「すべての黒人女性」ではないだろうか。奴隷の子孫として生まれ、貧困から勉学によって身を起こし、ファーストレディとなったミシェル。ミシェルはある演説で「ホワイトハウスは奴隷の手によって建てられました」と語ったことがある。初期の大統領には奴隷主だった者がいる。現在の大統領は人種差別主義者だ。こうした歴史と現状を考えると、シェラルドによるミシェルの肖像画はアメリカのすべての黒人女性の未来の反映なのだ。

 ただし、ミシェルの「有名な腕」はしっかりと描かれ、いかにもミシェル好みのドレスの存在感も大きい。ちなみにドレスはMillyというブランドのオーナー・デザイナー、ミシェル・スミスのデザインによる。

 余談になるが、シェラルドは31歳で心臓病が発覚し、39歳で心臓移植をおこなっている。前後して家族に不幸が続いたこともあり、数年間、筆を置いた時期がある。再度描き始めるも、数年前まではウェイトレスをして生活費を得ていたと言う。しかし45歳の今、これ以上はないと思える “モデル” に恵まれ、画家として世界的な名声を得た。夢と意志さえあれば、どんな障壁も乗り越えられると証明したのだ。

保守派による低俗の極み

 2枚の肖像の何が「謎」とされたかいうと、シェラルドの絵は上記に書いた「似ていない」と「ドレス」に意見が集中し、その意味するところがさまざまに推測や分析されたのだった。

 ワイリーによるオバマ大統領の肖像についての「謎」は、実のところ、ここに書くのも気が引けるものだ。まず、保守派のテレビ局フォックスニュースの人気キャスターで大のトランプ贔屓であり、トランプからも寵愛されているショーン・ハニティが、過去の大統領の肖像画7枚とオバマ大統領の肖像画を並べ、「これまでの大統領肖像画と大きく違い、ふさわしくない性的なことをほのめかしている」とツイート。

 日本ではおそらく意味不明と思われるコメントだが、アメリカには「黒人男性は常に性的な存在」というステレオタイプがある。もっと言えば「白人女性をレイプする存在」だ。この古い偏見を、全米に名を知られるニュースキャスターが言い放ったのだった。

 そもそもは肖像画の公開直後、ハニティの個人ブログに「オバマ肖像画には隠された精子が潜んでいる」とする記事がアップされていた。肖像画オバマ大統領のこめかみにワイリーは浮き出た血管を描いており、それが精子の形をしているというのだ。付随して他のメディアが「精子の書き込みは事実か」といった記事を掲載した。ワイリーがゲイであること、以前より作品のセクシュアリティ、マスキュリニティ(男性性)が論議されていることも、この中傷の理由のひとつだ。

 ハニティのブログと、それに関連する先のツイートは激しく批判、かつ呆れられ、ハニティはどちらも削除している。その際、「ブログの記事は他者によるもので、自分は内容を確かめていなかった」と釈明している。ハニティに鼓舞された愚かな人種差別主義者が肖像画の低俗なコラージュを多種、ネットにアップしていることも付け加えておく。

常に品位を

 奴隷制度が終わって150年が過ぎ、人種差別を禁じる公民権法の制定からも50年を超えている。それでもこうしたことが行われるのである。ハニティが共和党員であり、民主党の大統領は誰であれ批判するであろうことは割り引いても、オバマ大統領が黒人でなければ、ここまでの下衆な言動には至らないはずだ。これがアメリカの人種問題の現状であり、だからこそオバマ夫妻は揃って黒人画家を指名したのだ。

 白人への対抗意識や黒人同士で固まる意識などではない。ワイリーとシェラルドは大統領の公式肖像画を手がけた米国史上初の黒人画家となったのだ。この事実はすべての黒人、とくに黒人アーティストを大いに勇気付け、絵の得意なマイノリティの子供たちにも大きな夢を与える。ワイリーとシェラルドが揃って40代と、大統領肖像画の画家としては若いことも明るい未来の象徴だ。

 オバマ大統領は初当選時、ホワイトハウス職員や内閣に旧知の優秀なマイノリティ人材を何人も指名した。指名された者は、それぞれ若いマイノリティ・インターンを引き連れた。彼らは今、第一線で活躍している。2008年の大統領選中、CNNを筆頭にメディアも「初の黒人大統領、誕生か?」の事態に、黒人有権者を取材、分析する必要からマイノリティのキャスターや政治コメンテイターを採用した。今、各局に多くのマイノリティ識者が登場するのは、そのためだ。

 オバマ夫妻はなんどもホワイトハウスの伝統を破ってきた。しかし、破天荒や無手勝流ではなく、常に品位を保つ。ハニティや、その同類からの驚愕すべき低レベルの中傷には決して耳を貸さず、常にまっすぐに未来を見据える。ミシェルの名言を覚えているだろうか

When they go low, we go high.
相手が低俗に陥るなら、私たちは品位を高めます。

(堂本かおる)

 

ここでは「保守派」と柔らかに書いてあるけど、日本でも同様に、人種差別や民族差別、そして性差別を、公然と展開するような人たちや民族主義者達を「保守派」と呼んでもいいのだろうか、それは保守なんだろうか、という議論はのこります。

 

Time Magazine では、芸術的にミシェルの肖像画はあまり評価できないという記事をだしていたように思いますが、

 

でも、今回のこの小さな女の子の写真が、この絵の力を証明してくれましたね。小難しい芸術論を語る人もいるけど、やっぱり、うあぁ、という、この小さな女の子の感覚が、芸術の原点だと思うよ。

 

私たちも美術館に行って、なまで絵画を見ると、なんでか圧倒されるけど、あれ、なんでなんだろう。

 

やはり、本やネットで見るのではなくて、実際に「絵を経験する」っていうことなのかもね。