Maurice Williamson's "Big Gay Rainbow Speech"「怖れてはならない」 - NZ で同性婚法案が可決した時のウイリアムソン議員の名演説 !!!
今日ご紹介するのは、
ニュージーランドの議会を人間愛の優しさとユーモアでいっぱいにした、この名演説 !
Today's Topic:
2013年にニュージーランドで同性婚を認める法案が出来たとき、賛成票を投じた1人のおじさん議員が議会で語った内容。
— ブルドッグ (@Bulldog_noh8) 2017年11月25日
当時も世界中で賞賛されたスピーチ。知らない若い人に向けて。 pic.twitter.com/3acOEvHhKN
↑このスピーチには前段があり、前段で彼は自分に向けられた非合理な反対意見や姑息なクレームの数々を紹介した上で、「それでも反対派の多くは常識的な方だ」と述べ核心に入っていく。
— ブルドッグ (@Bulldog_noh8) 2017年11月25日
この演説を一流にしてるのはそこでしょうね。 pic.twitter.com/h0bzNu58Es
世界ではどんどん LGBT の権利と同性婚 (same sex marriage) の法制度が進んでいます。
こんな知的なユーモアと人間愛に満ちた演説を、ぜひ日本の政治の現場でも聞いてみたいけど・・・。日本で最近話題となった政治家のコメントといえばこれ。
自民党の竹下亘総務会長は23日、天皇、皇后両陛下が国賓を迎えて開く宮中晩餐(ばんさん)会をめぐり、「(国賓の)パートナーが同性だった場合、私は(晩餐会への出席には)反対だ。日本国の伝統には合わないと思う」と述べた。岐阜市内で開かれた党支部パーティーの講演で語った。
竹下氏は講演で、まず異性間の事実婚に言及。オランド前仏大統領が来日した際、事実婚相手の女性を宮中晩餐会に伴ったことについて、「奥さんではないパートナーだという女性が天皇、皇后両陛下と並んで座るわけだから、どう対応しようかと宮内庁は悩んだ」と指摘した。
そのうえで同性同士のケースに触れ、「そのパートナーが同性だった場合、どう対応するか。日本国として必ず近い将来、突きつけられる課題ではないか」と述べた。
宮中晩さん会へ同性パートナーを伴うことに反対した #自民党 の #竹下亘 氏の反対理由は「日本国の伝統に合わない」。伝統という言葉をどう定義しているのだろう…。 #田中優子の江戸から見ると https://t.co/Vd5t70WSuE
— 毎日新聞 (@mainichi) 2017年12月15日
法政大学の総長で江戸文化の研究者である田中優子先生の解説なくとも、ちょっとでも日本の歴史の知識があれば、わかるはずです。LGBT (lesbian, gay, bi-sexual, trangender) は「日本の伝統に会わない」どころではなく、朝廷、武士道、僧院、芸能、ありとあらゆる日本の歴史の局面において、人間の多様な愛のかたちは日本の伝統と文化そのものだという事は、歴史上の知られたこと。
また、BBC など世界メディアが報じた自民党議員のヘイト発言、杉田水脈氏の発言も、大きな問題となりました。そんな有名なヘイト発言でも、日本では相変わらず比例で議員として選ばれるのでしょうか。
Homophobia ~ 人間の尊厳を、自民党の杉田水脈議員は「生産性」という言葉で根底から否定した。 - Sophist Almanac
今日の歴史に残る名スピーチシリーズ、
いつも時間なくて簡単にしか説明できませんが、いくつか、このポイントをまとめてみました。
1) あふれる知性とユーモアで宗教右派を批判
物理学の学位を持つというこのウイリアムソン議員さんの、豊かな知性に裏打ちされたユーモア。
おまえは地獄で永遠に焼かれるだろうと言った指導者もいました。ひどい間違いです。わたしは物理学の学位を持ってますから、物理の熱力学の法則を使ってみました。自分の体重や水分量をあてはめて計算してみたんです。焦熱地獄を5000度と仮定すると、わたしは2.1秒しかもちこたえることができません。これはとても永遠とは言えないのではないでしょうか。
それだけではなく、形而上学詩人 (metaphysical poet) ジョン・ダン (John Donne) の The Canonization をほうふつとさせるすばらしいレトリックの力。言葉で人々を導く民主主義議会のお手本が、ここにあります。
この法案に反対する人に私は約束しましょう。水も漏らさぬ約束です。
明日も太陽は昇るでしょうし、あなたのティーンエイジャーの娘はすべてを知ったような顔で反抗してくるでしょう。明日、住宅ローンが増えることはありませんし、皮膚病になったり、湿疹ができたりもしません。布団の中からカエルが現れたりもしません。明日も世界はいつものように回り続けます。だから、大騒ぎするのはやめましょう。この法案は関係がある人には素晴らしいものですが、関係ない人にはただ、今までどおりの人生が続くだけです。
国会で、またとんでもない発言が問題になっている日本ですが、ほんとの民主主義をわたしたち一人一人が考えることなしに、「わたしたちの民主主義」をたもつことはできません。ぜひ聞いてみよう、そして民主主義について考えてみよう。
2) 聖書のすばらしい引用で、宗教右派にカウンター
で、またこれ、同性愛を神に対する罪であり、干ばつが怒ったり、(ソドムやゴモラのように) 町が破壊するだろうという、まったく非合理的な恐怖心を抱くキリスト教右派の人たちに対し、
ウイリアムソン議員は、神と人間の和解のしるし (sign) としての虹を引用し、LGBT のシンボルであるレインボーカラーが、またノアの洪水後の神の和解の sign でもあることを人々に思いださせます。
なんとすばらしいレトリックであり、力強いイメージでしょう。
最後になりますが、私のところに、この法案が干ばつを引き起こした、というメッセージが来たんです。この法案が干ばつの原因だと。ええと、私のTwitterアカウントをフォローしている方はご存知かもしれませんが、パクランガでは今朝、雨が降ったんですよ。そしたら、今まで見たことがないくらい、大きな虹が見えたんです。ゲイ・レインボーが。これは、しるしに違いありません。あなたがもし信じるならば、間違いなく、しるしです。
A photo taken from my Electorate Office this morning. A Gay Rainbow? A Sign none the less. All iswell with the world pic.twitter.com/X5a4YUbGbj
— Hon. Maurice Williamson (@williamson_nz) 2013年4月16日
そして、なんと、最後は、申命記 (Deuteronomy) 一章二十九節を引用して終わります。同性結婚 (same-sex marriage) を合法化したくないキリスト教保守の人たちにむけたメッセージです。
その時、わたしはあなたがたに言った、『彼らをこわがってはならない。また恐れてはならない。
オーストラリアで同性結婚が合法になる時に、既に同性婚が認められていたニュージーランドの人達がオーストラリア人に送った言葉。同性婚を反対する人にこそ見て欲しい。同性婚が日本で認められたとしても 僕達が好きな人と結婚できるようになるだけで、後はなにも変わったりしない pic.twitter.com/jYjilQSRYx
— 築山 優 @97年製ゲイ (@8sWbI8uxmiERwF9) April 19, 2018
ニュージーランドで同性婚が認められて8年。賛成票を投じた際のスピーチが世界中で注目を浴びたウィリアムソン元議員はいま、日本の反対派の議員にこう問いかけています。
— BuzzFeed Japan News (@BFJNews) 2021年6月18日
「同性婚を認めた世界のどの国を見ても、あなたが懸念するようなことは起きていない。なぜ日本だけが例外になると言えるのか」 pic.twitter.com/wTSilzIgEF
3) ニュージーランド英語のアクセント
オージーイングリッシュの勉強にもなります。
gay ゲイ ⇨ ガイ
paper ペイパー ⇨ パイパー
ま、すぐなれます。とにかく聞いてみよう。
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