Sophist Almanac

世界について知りたいとき

Psalm (詩編) 121 ~ Total Praise どんな嵐のただなかにいようとも

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Total Praise

どんな嵐のただなかにいようとも

 

In time of the storm 
  嵐のただ中にあっても、
You are the source of my strength 
  あなたはわたしの力の根源。
You are the strength of my life
  あなたはわたしの人生の強度。

 

凄すぎる Donnie McClurkin のクワイア。ど迫力。

 

1996年のこの曲は、Richard Smallwood が個人的な苦しみのただなかにいる時に作曲した曲だという。旧約聖書の Psalm (詩編) 121 章をもとにした曲に、彼は Total Praise というタイトルをつけた。これをどう日本語に訳すべきだろうか。完全なる賛美、感謝、言葉を超えた止揚の地点。

 

浄土真宗キリスト教思想に類似した点が多いことは知られているけど、その浄土真宗の感覚でいうと、「あなたに全てを委ねます」「一切をお任せいたします」という「帰依」の表現に近いのかもしれない。

 

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Total Praise 

Richard Smallwood

Lord, I will lift my eyes to the hills
  主よ、私は目をあげて、山々をあおぎみる。
knowing my help is coming from You
  あなたからわたしの助けがくると知り、
Your peace you give me
  あなたは私に平和をくださる。
In time of the storm
  嵐のただ中にあっても、
You are the source of my strength
  あなたはわたしの力の根源。
You are the strength of my life
  あなたはわたしの人生の強度。
I lift my hands in total praise to you
  わたしはもろ手をあげてあなたへの完全なる賛美をささげる。

 

こちらが2001年当時見た Richard Smallwood のヴァージョン。Youtube で見つけたこの動画は音質も画像もよくないけど、ベーゼンドルファーのピアノの重厚さも含め、もう一度、いい音質で聞きたい・・・。古いビデオを再生する機械もなくなってしまったけど。

 

 

歌のもとになっている、旧約聖書詩編を読んでみましょう。

 

聖書の詩編 121章

Psalm 121

1 I will lift up mine eyes unto the hills, from whence cometh my help.
  目を上げて、わたしは山々を仰ぐ。わたしの助けはどこから来るのか。
2 My help cometh from the LORD, which made heaven and earth.
  わたしの助けは来る 天地を造られた主のもとから。
3 He will not suffer thy foot to be moved: he that keepeth thee will not slumber.
  どうか、主があなたを助けて 足がよろめかないようにし

  まどろむことなく見守ってくださるように。
4 Behold, he that keepeth Israel shall neither slumber nor sleep.
  見よ、イスラエルを見守る方は まどろむことなく、眠ることもない。
5 The LORD is thy keeper: the LORD is thy shade upon thy right hand.
  主はあなたを見守る方 あなたを覆う陰、あなたの右にいます方。
6 The sun shall not smite thee by day, nor the moon by night.
  昼、太陽はあなたを撃つことがなく 夜、月もあなたを撃つことがない。
7 The LORD shall preserve thee from all evil: he shall preserve thy soul.
  主がすべての災いを遠ざけて あなたを見守り あなたの魂を見守ってくださるように。
8 The LORD shall preserve thy going out and thy coming in from this time forth, and even for evermore.
  あなたの出で立つのも帰るのも 主が見守ってくださるように。今も、そしてとこしえに。

 

コロナでリモートの Total Praise がとてもいい !

 

Earth has no sorrow that the Heaven cannot heal 

2001年9月11日の朝はとても気持ちのいい秋晴れの空気だった。

朝、ちょっと肌寒いくらいの空気の中で、リスたちのたくさんいる森を抜けて大学についたら、でも、世界はがらりとかわっていた。

あのテロの後、ニューヨークからぼろぼろになって帰ってきて、それでもまだ二週間ぐらい感情が凍ったままだった。涙もでず、大学に行っても、どこか遠い国を歩いているような感じだった。そんなとき、Richard Smallwood の、Earth has no sorrow that the Heaven cannot heal. この言葉を聴いて、やっと感情が流れ出し動くことができたと思った。

 

Richard Smallwood のこの二曲は、個人的にも、そういう思い出深い曲。

  

Earth has no sorrow that the Heaven cannot heal.

天が癒すことができない悲しみなど、この世には存在しない。

地球上のどんな悲しみも神は癒すことができる。

 

ほんとなのか。ひとを粉々にして NY の街に飛び散らせてしまうほどの、こんな人間の増幅する憎悪と苦しみに満ちた世界に住んでいて、ほんとにそうなのか。そう思いながら、同じ言葉を反芻しながら、確かめながら生きていくということだろう。

  

 

あなたの旅立ちも帰還も、主が見守ってくださるように。

今も、そしてとこしえに。

 

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